祥子と5人の女の物語
私は8人程度の経験しかありません。でも、男の人って十人十色だなと思います。男の人も同じことを考えているに違いありませんから、その中のひとりを選ぶって、不可能に近いんじゃないの?と思う今日この頃です。結婚適齢期が近づいていることも知っています。子供を産むのも若い方がベターなことも知っています。でも、一人の彼に一生を託す勇気もない私です。こいうのは、勇気とは言わず、何かの節目、妊娠しちゃったとか、占いが連続で一人の男性を選んだとか、案外いい加減なきっかけで決まるのかもしれませんね。 by shouko |
◇私を含めた、6人の女の性的快感の物語です。以下のリストは予定なので、変わる場合があります。 |
「祥子と5人の女の物語」は、性にまつわる告白系の連作小説です。決してエログロナンセンスな趣はなく、女の正直な、時には曖昧で、自分でも良くわからない性について語ります。当初は、わたし(祥子)一人の、性の道のりだけを書くつもりでしたが、男の人が十人十色なのだから、女人も十人十色。色々フランクに語っていくうちに、性への心構え、感じる場所、感じ方、それらすべてが異なっていることを知りました。書き手は祥子なのですけど、私以外の5人の女性の性についても取り上げ、その感覚なども、自ら体験してみたり、体当たりで書いてみようと思っています。当面は無料ダダ漏れですけど、いつの日か有料にするかもしれません。その時は、ご褒美だと思って入会してくださいね。貧乏OLに清きご寄付を! |
◇オーガズム連作小説 6人の異なる快感 | |
第1話 初めての経験 | その日は突然訪れた・・・ |
第2話 年上のおとこ | 合コンで知り合ったイケメンの意外な素顔に… |
第3話 既婚者との不倫 | 得意先の社長と銀座で偶然出逢い、老舗料理屋の離れに誘われ… |
第4話 旅先、行きずりの恋 | 東尋坊の岬で出逢ったひと。偶然宿が同じだっただけなのに… |
第5話 犯されて、おどされて | 合コン二次会で飲んだカクテルに睡眠薬が…。私の知らない男が…、そんな写真が自宅に届いた |
第6話 終着駅はどこ? | チョッと引込思案な弟は彼女との初エッチで大失敗。あまりの落込みを慰めていると… |
第7話 ママの不倫相手と | 私は悪い女?初めて人の男を奪った経験。友達のカレシなら許されちゃうような出来事。 |
祥子の告白・性って | * |
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あそこのお話し! | 一番の自慢なのに、誰にも言えないなんて、これってスゴク悔しいの! いずれ海外サイトにアップしますね! |
終着駅はどこ? | |
第一章 |
終着駅はどこ? 鮎川かりん 圭が今夜も私の中で果てた。私のバギナの中で、黙々と動くオスの躍動が好きだ。オーガズムがあってもなくても、オス、男が私のバギナに夢中になる、それだけで十分だった。ねぎらい、甘い言葉、行為後のケアも、そんなものは、どちらでもよかった。 圭が、私の弟であることさえ除けば、男は圭だけで充分なのだけど、世間様が認めてくれる関係でないことも知っている。いけない関係なんて道徳的意見など、どうでもいい。 ただ、圭との関係が発覚した時は、多分、かなりの騒動を巻き起こすことも知っていた。 特に、圭の家族が崩壊するのは確実だった。圭の妻が迷惑な思いをするのは気の毒だったし、姪の藍に悲しい思いをさせるのも、心苦しかった。でも、そのために、私が欲望を抑える努力をするのも、嫌だった。 世の中の常識からいけば、完全に私が魔女扱いされるのも、確実だった。それでも、私は、自分の欲望に忠実であろうとしている。 正確には、性的欲望を制御しないだけで、その他の欲望は充分制御しているのだから、一つくらい、自分勝手でも良いだろうと思っている。もっと正確にいえば、圭の勃起したペニスという限定されたものが欲しいわけで、単純な性欲とも違うのだと思う。 勃起していないペニスには魅力を感じないし、ほかの男の勃起したペニスも、私にとって魅力的ではない。あくまで、私の性欲を満たせるのは、圭の勃起したペニスだけということになる。 自分でも、自分の性欲の対象が限定的なものであることは、不思議だと思う。だからといって、その問題の心理分析なんてするつもりもない。 現に、それが私に魅力的だと思える結果だけで充分だった。圭が私に触れ、勃起し、私のバギナを欲してくれるだけで、私は充足された。徐々に濡れていくバギナをいたぶられるのも好き。やさしく、時々バギナを甘噛みされるのも好き。 私の圭への望みは、それだけ。私の中で果てた後、圭がどこに帰って行こうと気にしない。それで関係は完結している。それ以上の望みが生まれることはなかった。 今年の誕生日が来ると、私は三七歳。妹の有紀は一昨年結婚した。圭は、その前年に結婚して、一児をもうけている。実家の両親は、“行き遅れた娘”だと思い込み、変に気をまわしている。でも、彼らに安心を贈答するために、圭と私の関係を、これ以上複雑なものにするつもりもなかった。 圭が、私をどのように思って抱き、体の中に入ってくるのか、聞いたことはない。多分聞いても、彼自身答えは持っていない。私も 単に、そのように行為することで、性的欲望が充足されるだけで、それ以上の理由が必要だとは思わなかった。 圭と私の関係は、ただそれだけの関係なのだけど、他人はきっと色んな解釈を加え、最終的に私を色情魔だと噂するのだろう。両親は気が狂わんばかりに嘆くだろうし、二度と過ちを犯さない為に、母親が同居するなどと 騒ぎ出すかもしれない。圭の家庭を壊したいわけではないので、そういう愚かな寸劇を見ないためにも、この秘密は死ぬまで守りきる覚悟だった。 圭と私の関係のはじまりも、ひどくつまらないことが発端だった。しっかり者の長女と気の弱い子分気質の弟との、たわいのない会話がきっかけだった。ただ、今にして思えば、弟にペニスがあり、私にバギナがある事実を無視していたために起きたアクシデントだった。 その出来事は五年前、二人の間に偶然訪れた。人一倍明るい性格の弟が、いつになく沈み気味だった。数日は見て見ぬ振りをしていた。どうせたいした事じゃないだろうと誰もが思っていた。それから十日近くが過ぎても、圭の落込みは酷くなる一方だった。さすがにアネゴ気取りで圭を子分扱いしていた私は責任を感じてしまった。 家には誰もいなかった。そういう状況の方が、私も気楽に尋ねられるし、圭も答えやすいと思った。いつも通り、私は圭の部屋をノックした。ノックと同時にドアを開けるのだから、ノックの意味があるのかどうか判らない。ただ、突然開けたわけじゃない程度のエクスキューズに過ぎなかった。 「圭、コーヒーでも入れようか?」圭は、高校時代から使っているシングルベッドの大きな体を横たえていた。 「うん、俺少しで良いかも」 「飲まなくても良いってこと?」私としては、気をまわし過ぎていない姉を演じるように努めた。 「いや、飲みたい。でも、少しで良いような感じなん」 「フーン、変な注文だけど、二杯くれって言うよりマシだね」私は兎に角、いつものようにコーヒーを淹れた。 ドリップ式のお手軽器具だが、香りだけは十二分に美味しい仕上がりになっていた。せっかちな私は、誰も帰って来ないうちに、取りあえず、圭の落込みの原因だけは聞き出しておきたかった。180度違う態度になっているのだから、本人だって、その影響が家族に及んでいるくらい知らない筈はなった。 「涼ねえさんのコーヒーはいつも美味しいよ。」圭が一口啜って答えた。 「あんたさ、随分悩んでいるようだけど、悩んだら解決しそうな問題なの」私は単刀直入に聞いた。 「うん、悩めばわかると云うより、コツのようなものが判れば解決する、そんな感じの問題だよ」 「じゃあ悩むより、そのコツを探せばいいだけでしょう。彼女とのこと?」 「彼女のことと言えば、最終的にはそうなんだけどさ、もっと一般的な問題なんだよな」 「なによ、ハッキリしない話ね、どういう意味?」私にとって、圭の言葉はその時点で意味不明だった。圭がなんのコツを知りたがっているか知っていたら、それ以上の相談に乗るつもりはなかっ。 「まあ、自分でなんとかするよ。出来るだけ、これからは普通に振舞うよ」相変わらず神妙に受け答えする圭に、私は幾分苛立っていた。 「自分でなんとか出来ることなら、さっさと調べたり、試してみて、エクササイズするしかないでしょう」私の苛立ちは、いつも通り、乱暴に圭を扱った。 「涼ねえさんに相談できるような事だったら、俺うだって悩まないさ。それが出来るなら、陶の昔に話しているさ、涼ねえさんに相談できないから、悩んでるんだよ!」圭にしては激しい口調だった。抗議をしていると云うより、激白しているような、哀しみが含まれていた。私は、どうにかその場を繕っておきたかった。弟の親分的存在の片りんも見せずに、圭を見捨てる勇気もなかった。 「ねえさんに話せないほどヤバイ話なの?いいわよ、滅多なことでは驚かないから、話してみなよ。私の出る幕のない話なら、ねえさん速攻でギブアップするからさ。話すなら今のうちよ。いまに皆帰ってきちゃうよ」私は、意味もなく、圭を追い立てた。 「笑うなよな。笑ったら、二度と涼ねえさんと話さないからな」 「笑うわけないでしょ。アンタの大切な悩みだもん、真剣に聞くよ」私はこの時初めて、圭の悩みが、性的なこと?と云う危惧を持った。でも、矢を放ってしまった以上、元に戻すことは出来そうもなかった。 「じゃあ話すよ。もし、問題外の悩みだったら、黙って部屋から出ていって、頼むよ」 「了解、さあ話して」この時点で、圭の悩みが性的に違いないと確信した。でも、今更引き返す勇気もなかった。親分ねえさんのメンツの問題だった。 「笑うなよ、絶対に笑うなよ」圭が深刻な口ぶりで、ひどくおかしなセリフを口にしていたが、私は必死で真剣な顔つを保った。 「俺さ、経験ないんだよ。エッチのさ…」圭がぶっきら棒に話した。やっぱり、そういう悩みだった。ヤバイなあ、と思ったけど、そこで、圭が望んだように、部屋を後にする勇気もなかった。聞くしかない、私は自分に強く命じた。 「そうなんだ、でも最近の男って、意外に多いって聞いてるよ」私は衝撃を受けていない顔つきを保っているつもりで、一般論を口にした。 「そうかもしれないけど、皆がそうでも、今の俺には慰めにもならないよ。現に、俺の目の前には、美絵って彼女がいるわけだからさ。彼女と上手く行かないことは、致命的なんだよ」 「そういえば、そうね。一般論関係ないか。で、彼女とは未だってこと?」 「いや、三回トライした」 「でも、すべて上手くいかなかった」 「上手く行かなかったのかどうかもわからない。自分でも、良くわからないけど、ちゃんと入っていた感じはあるし、出た感じもある。でも、何もなかったような感じもする」 「はい?どういう意味なの?ちょっとさ、禅問答みたいでわかりにくいな」 「たしかに。自分でも、どんな風に話して良いのかがわかんないから自分がおかしくて笑えてしまう。」 「笑い事じゃないのはたしかね。でも、もう少し、その過程のようなもの、具体的に話してみない?」 「その方が良いのかな。ラブホに入ったところから話してみようか」 「シャワーとか浴びて、ベッドに二人が入った時点からで良いんじゃないの」 「それもそうだね。で、取りあえずキスしたり、胸を触ったりしながら、あそこに手をまわしてみた。指先で濡れているのもたしかめたので、挿入しようとしたんだよ」 「そう、そこまでは大きな間違いはないわね」 「俺も、これなら大丈夫だろうと、俺のアソコの先を、美絵のアソコにあてがったんだ」 「そこも間違いじゃないね」 「で、入り口に侵入しようとしたんだけど、阻まれるんだよ」 「阻まれるって、彼女が嫌がるってこと」 「いや、そうじゃなくて、そこから、どんな角度で進んでいいのか分からないから、戸惑ってしまうんだよ」 「入り口まで達したら、後はグイグイ入って行けばいいんじゃないのかしら」 「いや、痛がられたら困るから、出来るだけ負担を減らした方が優しいのかなって思うと、無闇にって気になれないんだよ」 「変だな〜、勃起したペニスの先が入ったら、勝手に道なんて出来る筈だけど…」 「問題の一つは、その勃起かもしれないんだよ。なんだか、オナニーしている時よりも、ぼんやりとでかいんだよ。絶対に硬いって言いきれない」 「そうなんだ。多分緊張で勃起が不十分なうちに、挿入しようとするからじゃないの」 私は、もう逃げられないと覚悟したので、思いっきりリアルな表現で、事態を把握しようと思った。 「正直、美絵を相手にすると、勃起が行ったり来たりしている感じなのさ。出来るだけ、硬いうちにと思うけど、思っているうちに、硬度不足になっているのかも」 「圭、アンタさ、自分でオナニーしているときも、同じこと起きてるの?硬度が増したり減っちゃったり」 「多分ない。最後まで硬いままだと思う」 「だったら、悪いけど、彼女のバギナで、オナニーするつもりになってみたら。相手の状況がどうなっているとか、これで良いのだろうかとかさ、そういうこと忘れて、とにかく一回オナニーをしてしまう、そういう気持ちになったら」 「相手の人格を無視しちゃうわけだ」 「そんな難しく考えたらダメだよ。そこまで行っているのだから、彼女は何をされるかなんて、覚悟はできているのよ。相手がどう思うか、それは二度目に考えるべきよ」 「獣のように、ただ、入れて出しちゃえばイイってことかな」 「決まってるよ。一回目から、見事なセックスする男なんていないよ。だんだん、馴染んできて、その女性がどのようなことを好むか、嫌がるか、そういうのは、それからよ。頭でっかちなセックスはダメだよ」 「初めての時、そうしておけば良かったんだろうけど、今更、好き勝手にってのも、なんだかさ」 「今からでも遅くないから、ソープだとかデリヘルとかで、経験しちゃったら」私は実際問題、圭の悩みに困惑していた。微に入り、男性が女性のバギナに挿入する過程や、挿入した後のことを説明できる知識は持っていなかった。幸運にも、されるがままで快感を得ていた私には、どのように行ったから良かった、と云う説明が出来なかった。 「まさかあ、美絵がいるのに、そういうところで知識を得てくるってのも、なんだかさ不純だろう」圭は、演技とも思えない健気さをみせた。美絵さんが聞いたら、きっと嬉しくて感激するに違いなかった。 「それにしても、三回とも入り口だけで終わったの」 「それがさ、美絵も初めてらしいんだよ。だから、余計話がこんがらがって、ふたりで途方にくれるんだよな」 「どっちも初体験か、あり得る話だよね。美絵さんって結構積極的だかっら、遊んでいたと思っていたけど、違うのね」 「そうなんだよ、俺も当てが外れたっていうか、ああしてって、こうしてって言ってくれるのを期待してたんだけど…」 「情けない人ね、今からでもイイから、デリヘル呼んで一回ちゃんと試しなよ。こういう場合、そういうのって許されるわよ。絶対に裏切りとかじゃないから」 「そうかな、一度は考えたんだけど、やっぱり拙いかなってやめたんだよね」 「やめた方が間違いよ。そして、一回でも成功体験しちゃえば、問題ないことよ。いまからでも遅くないわ。ラブホテルに入って、ベテランのデリヘル嬢をお願いしますってしてごらんよ」 「ねえさんよく知ってるよね、そういうこと」 「馬鹿ね、週刊誌とか読めば書いてあるわよ、そのくらい」 「やっぱり、そういう手段しかないか?でも、デリヘルってのは、やっぱりな…」 私は、圭が素直な子供であった理由は、単に愚図だったのかもと疑った。そして、逆らわない男の子は、誰かが強烈なリーダーシップで引っ張られないと、自己決定出来ないのだろうかと疑った。 「アンタさ、女が怖いの?」 「怖いってことないよ。ただ、痛くないかなって思っちゃうんだよ。今まで、人を痛い目に合わせるなんて考えたことないしさ」 「あのさ、痛いってのも、ふたつあんじゃないの?」 「ふたつ?」 「そうよ。二つあるのよ、痛みには。体が痛い場合、そして心が痛い場合ね」 「でもさ、体が痛いのは、全員だけど、心が痛いかどうかは分からないよ」 「そうりゃそうだけど…。でも、私が彼女だったら傷つくな、絶対に。それ以上入って来ない、覚悟しているのに。どうして、思いっきり終わらせてくれないの?私だったら恨むかもよ」 二人の間に沈黙が続いた。 「拷問みたいなものかな?」 「拷問まではいかないけど、どうしてなんだろうって思うよね。どこか、私の何かが気に入らないのか。それとも、この人少し不能の気があるのかしら、とかね」 私は半分冗談めかして、圭と性的な話をしていた。ただ、僅かにだけど、自分のバギナが変化しているのを実感した。深く考える事はなかったが、話しながら、圭がまだ大学生だった頃、寝起きの悪い圭を起こそうとした時に、圭の勃起したペニスを目撃したことを思い出していた。二十歳前後の男の朝だち勃起があんなに強圧的姿なことに、ショックを受けた記憶だ。 「美絵が、涼ねさんだったら良かったのに…」圭がぼそりと口にした。 「えっ?」私はちゃんと聞こえたけど、聞き返した。 「あぁいや、なんでもない…。ただね、ねえさんが他人だったら良かったなって、ちょっと思ったんだよ」 「私が他人だったら、なによ。デリヘル嬢の代わりでもさせようっての?」 「まさか、そういう意味じゃなくて。結婚できるのになって思ってさ」 「アンタ、ほんとは年上が好きなの?」 「いや、そうでもないと思う。でも、涼ねえさんなら、何でも言う通りにしていれば、間違いは起きないからね。スッゴク安心なんだよ」 「なによそれ。マザコンみたいなもんじゃない」そのように言いながら、圭の自分への依存度に満足していた。その時からだろうか、自分の思うがままの人間が一人くらいいたって良いのではないか、相手にも異存はないのだろうから…。 「マザコンとは違うさ。ちゃんと一人の人としてリスペクトしてるんだよ。親子関係とか兄弟とかの関係じゃないなんかだよ」圭の言葉は、偶然かもしれないが、姉としてではない私の存在を感じていると告白されているのかもしれない。そんな危険な雰囲気が漂いはじめた。 「圭?まさか親子とか兄弟じゃない関係ってどういう意味?なんだかさ、アンタ、私に惚れてるんじゃないよね。まさかね、それはないね。アンタのオムツ取り替えてた姉さんに惚れたら気味悪いよね」私は、漂う空気に逆らわず、冗談めかして核心に迫っていた。 「わかんない。惚れてるってのとも違う。ただ、姉さんって存在とも違う」 「嬉しいような、迷惑なような話になってきたね。アンタと美絵さんのエッチをどうするって話だったのにさ」 「たしかに。でも、涼ねえさんと話してるうちに、なんだか姉さんとの話の方が重要かも、なんて思ってきちゃうよ」圭も、奇妙な方向に話が進んでいく展開に心地よく戸惑い、その戸惑いの帰結にぼんやりと期待をもった。 「親でもない、姉でもない、男でもない。ぶっちゃけ、女だってことじゃないの?」私もこの奇妙な空気の帰結を知りたかった。もっとざっくばらんに表現すれば、バギナの中で滲み出ている粘液が、どんな運命を辿るのか、早く知りたい気分だった。 「そうよ圭、アンタさ、私の女に興味があるんでしょう。正直の白状しなよ」私は乱暴に畳みかけた。 「かもしれない。でもそんな馬鹿なことが許されるとも思っていない。だから、気持ちがグラグラしてるんだよ」 「だよね、アンタと私がそうなったら、近親相姦だよ。ああ何てことよ。デリヘルとエッチするより、百倍、美絵さんへの裏切りだよ」私は、自分が真逆の方向に仕向けている言葉を吐きながら、その逆の状況が生まれることを望んでいる自分を感じていた。悪魔なバギナを私は持っているんだ、この時私は強く自覚した。悪魔なバギナの女、涼を。 「それは違う」圭が断定的に強い口調で否定した。 「違うんだ、美絵への感情と涼ねえさんへの感情は絶対に違う。美絵への愛情と姉さんへの恋心は違う」 「愛情と恋心か…」
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