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最終更新日:08.02.29
| ★中国産精力剤飲み一時重体 02.29 |
広島県は24日、精力剤として香港から個人輸入した無承認医薬品を服用した県北部の30代の男性が一時意識不明となり、現在も入院中と発表した。同県薬務室によると、男性は20日に「男根増長素」という中国製とみられる薬を服用したといい、21日夕方、県北部の病院に救急搬送された。血糖値が低下していたので、上昇させる治療を受け、現在は意識を取り戻しているという。県がこの薬を検査したところ、糖尿病治療に使われる医薬成分「グリベンクラミド」が、1カプセルから1日の最大使用量の12倍に当たる120ミリグラム検出された。血糖値を低下させる副作用があるという。男性は同室に対して、雑誌にとじ込まれていた個人輸入代行の申し込みはがきで8箱を注文し、薬品は今年1月に香港から送られてきた、と話しているという。同様の製品については独立行政法人国立健康・栄養研究所が香港衛生署から健康被害の報告があるとして、注意喚起情報を出している(朝日新聞) |
| ★血液製剤、不活発化技術導入 |
厚生労働省は27日、血漿(けっしょう)や血小板など輸血用血液製剤の製造時に、病原体の感染力をなくす不活化技術を導入する方針を固めた。現在はエイズや肝炎のウイルスなどを検出する検査を行っているが、検査をすり抜ける可能性がある。今は検査していない鳥インフルエンザやデング熱など危険な感染症を防ぐ狙いもある。同日の薬事分科会血液事業部会の委員会に示された。不活化技術は、薬剤と光を用いて病原体の遺伝子を破壊する。海外ではドイツやフランスなどヨーロッパを中心に導入されている。厚労省は夏までに報告書をまとめる予定。実際に導入するには、治験のほか、血液製剤を製造する日本赤十字社との調整が必要で、少なくとも3〜4年かかるという。 一方、委員会では、薬剤について安全性の検証が必要などの指摘も相次ぎ、「導入はもっと慎重にすべきだ」との声も出た(朝日新聞) |
| ★老化原因、活性酵素の働き制御クロレラ | 京都府立医科大学の松田修准教授と岸田綱郎博士研究員は、細胞が老化する原因とされる活性酸素の働きを抑える能力が高いクロレラを発見した。水中に住む「J005」という種で、これまで健康食品などに使われてきたクロレラに比べ、最大で約4倍、活性酸素の働きを抑える。半年後をめどに錠剤を作り、健康食品として実用化することを目指す。 J005をすりつぶした粉を酸化剤と混ぜて実験したところ、市販の健康食品などに使われるほかのクロレラに比べ、最大で4倍の抗酸化作用を示した。クロレラが含むたんぱく質が酸化剤の働きを抑えたと見ている(日経産業) |
| ★酒は「憂さ晴らしに」に逆効果 | 憂さ晴らしに酒を飲んでもむしろ逆効果? 嫌なことを思い出した直後にアルコールを摂取すると、かえってその記憶が強められることを松木則夫東京大教授(薬理学)らがラットの実験で見つけ、28日までに米専門誌の電子版に発表した。 人の場合なら、嫌なことを忘れようと酒を飲んで一時的に楽しくなっても、翌日には楽しいことを忘れ、嫌な記憶が強く残ることを示しているという。松木教授は「酒を飲まずに、嫌な記憶に楽しい記憶を上書きしてしまうのが良いのでは」と“しらふの気分転換”を勧めている。 実験で、かごに入れたラットに電気ショックを与え、恐怖を学習させると、かごに入れただけで、身をすくめて固まるようになる。チームはいったん固まった直後のラットに飲酒相当のアルコールを注射した。 その結果、注射しないラットと比べると、かごの中で固まり続ける時間が長くなった。その効果は2週間続き、記憶が強くなったと判断されたという。 アルコールは記憶力を低下させるが、それは覚える段階だけで、いったん覚えたものを思い出して記憶に固定していく段階では、逆に記憶を強める効果があるらしい(共同通信) |
| ★アルツハイマー、新タイプ発見 |
アルツハイマー病は、ベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質がたまって脳に老人斑と呼ばれるシミをつくり、発病すると考えられていたが、シミを作らずに発病するタイプがあることがわかった。大阪市立大の富山貴美准教授、森啓教授らが、米専門誌に発表した。このタイプは、これまでと異なる遺伝子配列の変異が原因で、老人斑を標的にした診断法や治療薬の開発だけでは十分でない可能性が出てきた。 アルツハイマー病は、ベータアミロイドがたまって線維になることで神経細胞が死に、発病すると考えられてきた。ところが最近、老人斑ができる前のベータアミロイドがいくつかくっついた段階で、神経細胞の働きをじゃますることで病気になることが、動物実験でわかってきた。 同グループは、ある患者でベータアミロイドをつくる遺伝子に変異を見つけた。その変異があると、老人斑はまったくできないのに発病することがわかった。 これらの結果から、アルツハイマー病の原因は、たまって線維になる前のベータアミロイドが関係している可能性が強いことがわかった。アルツハイマー病に詳しい井原康夫・同志社大教授は「見えないものが真犯人である可能性を提示した点で、非常に興味深い結果だ」と話している(朝日新聞) |
| ★糖尿病予防、低炭水化物が決め手 | 炭水化物の摂取量が少なければ、動物性脂肪や蛋白(たんぱく)質を多く含む食事を摂っても、女性の2型糖尿病のリスクは上昇しないとの研究結果が、米医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」2月1日号で報告された。一般的には、2型糖尿病予防には低脂肪食、高炭水化物食が奨励されているが、長期的な効果は明らかでない。 米ハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部を最近卒業し、自ら栄養コンサルティング会社を設立している研究著者のThomas Halton氏は、「看護師健康調査(Nurse's Health Study)」の参加女性8万5,059人を対象に、20年間の追跡調査結果などのデータをもとに低炭水化物食と糖尿病のリスクとの関連性を検討した。同氏はまず、脂肪、蛋白質、炭水化物の摂取量の比率をもとに、低炭水化物食スコアを算出。高スコアは脂肪や蛋白質の摂取量が多く炭水化物が少ないことを意味するが、スコアが高いほど低炭水化物食に、低いほど低脂肪食に近いことが示された。研究の結果、より高スコアの女性では糖尿病リスクが増大することはなかった。脂肪や蛋白に関しては、動物性でなく植物性ものを摂取した際のリスクの減少度はわずかであった。低炭水化物食に比べて、低脂肪食の2型糖尿病の予防効果は高くないこと。また、炭水化物の総消費量は2型糖尿病と関連性があり、糖負荷(glycemic load)に対する相対リスクは非常に高かった。Halton氏は「食事法の奨励内容を変更させるためには、今回の研究結果のみでは不十分だが、2型糖尿病の予防には低脂肪食は低炭水化物に比べて好ましくないことが示唆された。予防効果が期待できる食事法は、野菜をベースにした、植物性脂肪および蛋白質量の高い低炭水化物食であり、炭水化物量のより低いものである」と述べている。米ニューヨーク大学(ニューヨーク)医学部臨床助教授のStuart Weiss博士は「おそらく今回の研究で示された食事法に従うことがよいことだと思う。問題は、一般的に良いバランスのとれた食事をするということを理解しないまま、極端に走ってしまいがちであること。飽和脂肪と同様、炭水化物も制限すべきであり、過剰摂取は問題を招く」としている。(HealthDay News ) |
| ★パーキンソン治療薬、突然睡魔の副作用 |
パーキンソン病の治療薬を服用した患者が、車の運転中に突然眠り込んだために起きた交通事故が、1996年からこれまでに23件あったことが、製造販売元2社のまとめでわかった。うち18件は、日本べーリンガーインゲルハイムが2004年1月に発売した「ビ・シフロール」(一般名プラミペキソール)で起きており、同社は、厚生労働省の指示で医療機関に文書を配り、注意を呼びかけている。 患者が交通事故を起こした薬は、ビ・シフロールのほか、同社の「ドミン」(同タリペキソール)、グラクソ・スミスクラインの「レキップ」(同ロピニロール)で、両社は注意を強めるよう使用説明書も改定した。 日本べーリンガーインゲルハイムによると、3年半にわたりビ・シフロールを服用していた40歳代の女性は、時速50キロ・メートルで走行中に眠り込んでガードレールに衝突し、車は大破してあごにけがをした。事故前から、前兆もなく突然眠ってしまうことがあり、事故後に薬を変えたところ症状は消えた。 この薬の服用開始後、1か月未満で起きた事故は3件、1〜3か月では3件、6か月以上たってからも5件起きていた。承認申請のための臨床試験でも、1件報告されていたという。ドミンでは、1996年6月の発売後4件発生。レキップは、06年12月の発売以来、1件が確認されている。 両社は「服用中には車の運転だけではなく、機械の操作や高い所での作業は控えてほしい」と話している(読売新聞) |
| ★全ての患者に治療明細、国立病院 |
厚生労働省は08年度中に、全国の国立病院で、検査や投薬などの治療内容が詳細に分かる明細書を、原則としてすべての患者に無料で発行する方針を固めた。患者への情報開示を積極的に進めることで医師への不信感を取り除き、患者自身が受けた医療の内容をチェックできるようにするのが狙いだ。 対象は全国に8カ所ある国立高度専門医療センターと、国立病院機構が所管する146の国立病院。これらの病院では、患者の求めがあれば現在でも無料で明細書を発行しているが、求めがない場合でも患者に手渡すようにする。 検査や投薬の内容にかかわらず、1日あたりの入院治療費が定額となる包括払いを導入している病院でも、治療の内訳がわかるような明細書にする。患者は明細書を保存しておくことで、薬害などの被害を受けた際に確実に投薬証明ができるようになる。 課題は、患者自身に本当の病名が伏せられているような場合、明細書で病名がわかってしまう可能性があることだ。このため厚労省では、明細書の発行にあたり、必要に応じて患者の家族や主治医に意見を聞くなど、運用上の条件をつけることも検討するという。 08年度の診療報酬改定では、今年4月から、ベッド数400床以上のすべての病院で、患者からの求めに応じて実費による明細書の発行が義務づけられるようになる(朝日新聞) |
| ★家族の要請で延命治療の中止を、学術会議 | 病気の悪化で死を免れなくなった患者に対する医療のあり方を検討していた、日本学術会議の「臨床医学委員会終末期医療分科会」(委員長=垣添忠生・国立がんセンター名誉総長)は15日、報告書を公表した。学術会議は1994年の「死と医療特別委員会報告」で「患者の意思が不明な時は、延命治療の中止は認めるべきではない」としていたが、今回、昨年5月に国が示した「終末期医療に関する指針」を追認するかたちで、家族による患者の意思の推定を認めた。報告書では、患者の意思が確認できないまま、家族から延命治療の中止を求められた際の対応について、詳しく記述。▽家族全員の意思が一致しているか▽中止を求める理由は何か――などを、様々な職種で構成する医療チームが繰り返し確認、記録すべきだとした。家族の求めを受け入れる判断は医療側に任せたが、「客観的な判断も望まれる」として、医療機関に、終末期医療に対応する制度や倫理委員会などの機関の常設を求めた。過去に各地で起きた「安楽死・尊厳死事件」にも触れ、「激しい痛みや苦痛を取り除く緩和医療が十分に浸透していないことが、事件の重要な背景の一つ」と指摘、緩和医療の充実が事件の突発をなくす早道とした。専門外の医師も、緩和医療を学ぶべきだと提言している(読売新聞) |
| ★医療事故死、判断は医療機関まかせに |
医療事故の死因調査にあたる第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」の設立を検討している厚生労働省は20日、事故を委員会に届け出るかどうかの判断を事実上、医療機関に委ねる方針を示した。当初は、医療行為に伴う予期せぬ死亡事故すべてについて届け出を義務づける考えだったが、医療界の反発を受けて方針変更した。 厚労省は、届け出の対象を(1)誤った医療で死亡した事案(2)誤った医療かは明らかでないが、医療に起因し、予期せず死亡した事案――とし、該当するかの判断は医療機関に委ねる。ただし遺族が死因に疑問を抱き、委員会に報告した場合は、原則調査に着手する。 死亡事故でも医療機関が「過誤によるものではない」と判断すれば、届け出なくてもよくなるため、患者団体などの反発が予想される(朝日新聞) |
| ★不妊治療、戻す受精卵は1個に |
不妊治療で、受精卵を体外から子宮に戻す個数について、日本産科婦人科学会(日産婦)は原則として一つに制限する新たな指針案をまとめた。治療技術の向上で妊娠率が高まっていることや、複数の受精卵を戻すことで2人以上妊娠する多胎妊娠になり、母体や赤ちゃんへの危険が高まることを考慮した。 指針は、4月の総会で正式決定する。強制力はないが、指針には学会に加わるほとんどの医師が従っている。 日本国内で不妊に悩むカップルは10組近くに1組といわれる。厚生労働省研究班の03年の調査で、不妊治療する患者は46万7000人いると推計されている。 日産婦のまとめでは、05年に約8万5000人の女性が体外受精を試み、約1万9000人の赤ちゃんが生まれた。多胎妊娠は3784例で、そのうち225例が三つ子か、四つ子だった。 受精卵は、子宮に戻しても必ず妊娠するとは限らないため、不妊治療では、これまで複数個を戻すのが一般的だった。四つ以上というケースも珍しくなかった。 |
| ★ポリオワクチン接種で乳児発症 |
北海道は25日、道内北部の町でポリオ(小児まひ)の生ワクチンの予防接種を受けた乳児(男)が、ポリオを発症したと発表した。国内では00年に宮崎県で発生して以来の発症。乳児は両足にまひの症状が出て旭川市内の病院で治療を受けているが、右足のまひは回復していないという。 道保健福祉部によると、乳児は昨年11月中旬に町が実施した集団予防接種で、口から飲む生ワクチンの接種を受けた。12月3日に発熱、同6日に両足のまひ症状が現れ、調べたところ感染が分かった。道によると、ワクチンの期限や接種当時の乳児の体調に問題はなく、他に同じワクチン接種を受けた乳児十数人に異常はないという。 国内でのポリオの自然感染は80年が最後。道のまとめでは、生ワクチン接種による副作用や、接種を受けた人の便などを通じた2次感染は計12件起きている。ワクチン接種では弱毒化したポリオウイルスを体内に取り込んで免疫を作るが、450万回に1回の割合で感染が起きるとされる(朝日新聞) |
| ★京大中山チーム、万能細胞のガン化ほぼ回避 02.18 |
さまざまな細胞や組織になりうる万能細胞(iPS細胞=人工多能性幹細胞)を治療に応用するにあたり、大きな障害と考えられてきた細胞のがん化は、iPS細胞をつくる際に特定の遺伝子を使わなければ防げることが、京都大の山中伸弥教授らの研究グループによるマウス実験でわかった。遺伝子の運び役のレトロウイルスががん化に関与していないことが解明されたためだ。14日付の米科学誌サイエンス電子版に発表する。 これまでiPS細胞は、細胞の遺伝子に溶け込む性質を持つレトロウイルスに4種の遺伝子を乗せ、皮膚の細胞に入れてつくっていた。このiPS細胞を使って大人のマウスを育てると、2割という高率でがんが発生し、安全性に疑問が出されていた。 山中教授らは、がん化の原因について(1)4種の遺伝子のうち、c―Myc(シーミック)遺伝子が起こしている(2)4種の遺伝子を入れるのに使ったレトロウイルスが、染色体にあるがん発生に関係する遺伝子を刺激する、という二つの可能性を考えた。 (1)の要因については昨年、c―Myc遺伝子を除いた3種の遺伝子でiPS細胞をつくり、26匹のマウスを100日間育てたところ1匹もがんにならなかったことから、可能性が高いことがわかっている。(2)の要因は、ウイルスが入る場所が少なく、追跡しやすいマウスの胃粘膜や肝臓の細胞からつくったiPS細胞で調べた。その結果、ウイルスは、がん関連遺伝子を刺激するような場所に入っておらず、がん化はc―Myc遺伝子を使わないことで防げる可能性が高まった。 山中教授は「レトロウイルスを使うのは、考えていたほど危険ではないことがわかった。さらに調べて安全性を確認、応用の基礎を固めていきたい」と話している(朝日新聞) |
| ★極度の過労、脳下垂体細胞死滅 |
極度の過労によって、脳の中心部にある内分泌器官、脳下垂体の細胞が次々と死滅していることを、大阪市立大の研究チームがラットによる実験でつかんだ。これまでは過労は生体の機能が落ちるだけとみられていたが、実際は生命維持の中心器官の一つが破壊されていることを初めて立証した。熊本市で15日から始まった日本疲労学会で報告した。 厚生労働省によると06年度の脳・心疾患で死亡した「過労死者」は147人。研究チームは過労を早く見つける「過労マーカー」の開発に役立つと期待している。 大阪市立大の木山博資(ひろし)教授(解剖学)らは、ラットの飼育箱の底に1センチ強の深さに水を張り、5日間観察した。ラットは体が水にぬれるのをとても嫌う性質があり、立ったまま数分うとうとする程度しか眠れなくなる。徹夜で働く人間と、ほぼ同じ状態だ。 このような状態のラットの脳下垂体を調べると、5日目に細胞が死滅し始め、下垂体の中葉と呼ばれる部分がスポンジ状になっていた。 下垂体中葉には、脳の神経核A14という部分から神経伝達物質ドーパミンが供給されている。疲労がつのるにつれて、A14のドーパミン生産能力が減り、下垂体の死滅細胞が増えていた。 実験後、飼育箱から水を抜くと、ラットはすぐに睡眠をとり、半日後には活動を再開した。しかし、下垂体が元の状態に戻るには数日間かかった。早めの休養が重要であることを示している(朝日新聞) |
| ★糖尿病、痩せた高齢者も注意 |
やせている高齢者は、普通の体形の人より糖尿病になるリスクが高いことが、独協医科大の西連地利己(さいれんちとしみ)助教(公衆衛生学)らの大規模調査でわかった。肥満が糖尿病を招きやすいことは知られているが、「やせ」との関連が浮かんだ研究は珍しい。 調査は茨城県の委託で、93年に同県内で住民健診を受けた当時40〜79歳の男女のうち、糖尿病ではなかった約12万7000人に協力してもらい、04年まで健康状態を追った。糖尿病になったのは8400人余だった。 調べたのは、体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割って出す体格指数(BMI)と、発症リスクとの関係。60〜79歳では、低体重とされるBMI18.5未満の人が発症するリスクは、普通体重とされる同18.5〜24.9の人より、男性で32%、女性で31%高かった。 肥満に当たる同25〜29.9では、男性で18%、女性で31%、普通体重の人たちより高かった。やせた人と太った人で、どちらがより危険かははっきりしないという。 一般に、日本では欧米と比べてやせた糖尿病患者が多く、こうした人は糖を細胞に取り込むインスリンをつくる能力が欧米人より低いと考えられている。 西連地さんは「やせた人は太ればリスクが減るわけではありません。運動や食事に注意するとともに、年に1回程度は健診を受けるようにして」と助言している(朝日新聞) |
| ★PETで診断と治療を同時進行 | がんの早期診断などに有効な陽電子放射断層撮影(PET)で、診断と治療が同時にできる新型装置を放射線医学総合研究所が開発した。筒形の装置を輪切りに2分割した形で、空間部分から治療ビームの照射ができ、治療の精度向上につながるという。7日の英物理学会の専門誌に発表した。PETは、薬剤を投与して放出させた放射線を検出器でとらえて体内を画像化する。感度を高めるため、患者を取り囲むように多数の検出器を配置しており、診断と治療は同時にはできなかった。 放医研の山谷泰賀研究員らは、中央部分の検出器を取り除いても、残りの検出器で欠けたデータを補えることに着目。画質への影響が小さくなるように検出器を配置した。さらに、同研究所が開発した解像度と感度を向上させた新型の検出器を用いることで、従来型と同様の画像を得られるようにした。 開放型の装置を使えば、画像で患部の位置を確かめながら治療ビームを照射したり、薬剤を使わずに照射で発生する放射線を使って画像化したりできるという。 山谷研究員は「コロンブスの卵のような単純なアイデアだが、試みられてこなかった。低被曝(ひばく)の装置開発を低コストで実現できる可能性もある」としている(朝日新聞) |
| ★日本疲労学会、疲労の基準ガイド作成 |
日本疲労学会は16日、健康な人の肉体疲労の程度を数値化して調べる「臨床評価ガイドライン」を発表した。疲れについての世界初の「物差し」となる。「疲れにくくする」などと表示できる特定保健用食品(トクホ)の開発や審査の基準に使われる。 評価方法として(1)自転車こぎテストでみる身体能力評価(2)自分が感じている疲れを線分上に記入する疲労感評価(3)脈などを利用する生理学的評価(4)唾液(だえき)や尿を調べる生化学的評価の4項目計8種類を示した。 (3)は最新の研究成果によるもので、指先の脈拍で自律神経機能をみる「加速度脈波法」と、パソコン画面に散らばった記号を素早く探す時間で脳の反応速度を測る「ATMT法」がある。 疲れた人たちで、特定の健康食品を使った群と使わない群の疲労回復具合を4項目で比較し、効果程度を判定する。 臨床評価ガイドラインは、近く日本疲労学会のウェブサイト(http://www.hirougakkai.com/)に掲載される(朝日新聞) |
| ★突発性難聴に細胞再生医療開始 |
突然耳が聞こえにくくなる突発性難聴に対し、聴覚細胞を再生する世界初の治療を、京都大病院耳鼻咽喉科の伊藤壽一教授らのグループが始めた。従来のステロイドの大量投与に代わる、安全で効果が高い治療法として期待される。 突発性難聴のはっきりとした原因はわかっていない。歌手の浜崎あゆみさんが今年1月、突発性難聴で左耳が聞こえなくなったことを告白した 治療は、聴覚細胞が集まる内耳の蝸牛の膜に、細胞の成長にかかわるたんぱく質「IGF―1」を含ませたゼリー状のゲルを塗る。約2週間かけて吸収され、傷ついた聴覚細胞の死滅を防ぎ、再生させる。発症後1か月未満で、ステロイド治療で効果が出ていない20人程度に実施する予定。 厚生労働省の2001年の調査では、突発性難聴の推定患者は約3万5000人。国の特定疾患(難病)に指定され、完治は全体の3分の1程度とされる。従来、ステロイドの大量投与による治療が行われているが、副作用に苦しむケースが多い(読売新聞) |
| ★アルツハイマーのプラークは一日で形成 | 最新の画像技術を用いた研究により、アルツハイマー病の前兆とされるアミロイド斑(プラーク)がわずか24時間で形成されることが、英科学誌「Nature」2月7日号で報告された。アミロイド斑は、アミロイド?(ベータ)蛋白(たんぱく)が蓄積したもので、アルツハイマー病患者の脳にみられる。 研究を率いた米マサチューセッツ総合病院(ボストン)神経変性疾患研究所のBradley Hyman博士によると、これまで、アルツハイマー病の動物モデルを用いた研究により、疾患が進行する個々の段階の断片的な撮像は得られていた。今回使用した顕微鏡イメージング技術によって、このプロセスを生きた動物の脳で初めから終わりまで順を追って見ることが可能になり、炎症細胞が活性化されて生じるさまざまな事象がわかったという。いったんアミロイド斑が発生すると、近辺の神経細胞がほぼ即座に損傷を受けることもわかった。Hyman氏らは、アミロイド斑を形成する系統のマウスを用い、この顕微鏡イメージングを最初は週1回、その後1日1回実施した。その結果、プラークの形成が比較的まれな事象であることがわかった。しかし、一部のマウスでは、アミロイド斑の見られない画像が撮像されてからわずか24時間後に、アミロイド斑が認められたという。このアミロイド斑形成マウスに起こることは、ほぼ間違いなくヒトの脳にもみられるといい、アルツハイマー病リスクをもつ人にこの知見を適用することができるとHyman氏は述べている。アルツハイマー病研究では、アミロイド斑形成が先か、神経変性が先かが議論の対象となっていたが、今回の研究から、プラークの形成が最初の事象であることも裏付けられたという。神経変性が数日で起こることもわかった。米国アルツハイマー病協会(AA)のSam Gandy博士は、この知見はアルツハイマー病の治療法開発に直接関連するもので、抗アミロイド治療が理にかなったものであることがさらに強く裏付けられたと述べている。また、アミロイド斑は血管の近くにのみ形成されるとの報告が過去にあったが、今回の研究結果からは、そのようなことはないこともわかった。一方、アルツハイマー病の原因とされる脳の変性は、アミロイド斑の形成だけではないとHyman氏は述べている。もう一つの注目すべき特徴に、脳の神経細胞の骨格をなすタウ蛋白(tau protein)の変性がある。今回と同じ技術を利用して、このタウ蛋白の変性に関する研究もまもなく開始される予定とのこと。(HealthDay News ) |
| ★禁煙補助薬で自殺リスク増大 | 禁煙補助薬Chantix(一般名:varenicline バレニクリン、日本では1月25日に製造販売承認を取得、商品名:チャンビックス)が、焦燥感、抑うつ感、自殺などの重篤な「神経精神医学的(neuropsychiatric)」副作用をもたらす可能性が米国食品医薬品局(FDA)により報告された。FDAは、同薬剤の製造元であるファイザー社に対し、ラベル等に表示する警告をさらに目立つものにするよう求めると同時に、患者用の「服薬ガイド」を同社と共同で作製中というFDAのBob Rappaport博士は「この薬剤が原因とみて間違いないと思われる症例が多数認められており、懸念が高まっている」と述べている。FDAではChantixに関連する自殺行動の事例を491件把握しており、このうち420件が米国で発生している。自殺を遂げたケースは39件で、34件が米国内。ファイザー社によると、これまでに500万人の患者がこの薬剤を利用している。今回の警告に先立ち、FDAは昨年(2007年)11月20日にChantixの副作用報告について調査を行っているとの声明を出している。当時、ファイザー社は同薬剤と各症状との間に因果関係は認められないとして、症状の一部はニコチン離脱に起因するものではないかとの見解を述べていた。FDAは、Chantixの使用を開始する前に、精神疾患の病歴について医師に報告するよう勧告している。同薬によって既存の精神疾患が増悪するほか、過去の精神疾患が再発する可能性もある。不安、神経質、緊張、抑うつ感、異常行動、自殺念慮(ねんりょ)ないし自殺企図などの症状にも注意が必要で、薬剤を中止した後に症状が現れることもあるという。鮮やかで奇妙な夢を見ることや、自動車や機械の運転能力低下の可能性も指摘されている。(HealthDay News ) |
| ★中年期がうつ病のピーク | 精神的なスランプやうつ状態のピークは中年期であることが、英米の研究者らによる新しい国際研究によって示唆された。研究者らによれば、これは性差(性別)や文化、地理、財産、職歴、学歴、婚姻状況、親の状況にかかわらず、ほとんど世界共通だという。 米医学誌「Social Science & Medicine」に近く概要が掲載される予定の今回の研究は、英ウォーリックWarwick大学(ウォーリックシャー)経済学教授のAndrew J. Oswald氏らによるもの。80カ国約200万人を対象に、健康で幸福な状態(well-being)について分析した。同氏らは、米国・欧州の男女約50万人を対象とした数十年にわたる2つの幸福度/満足度調査(happiness/satisfaction surveys、1970年代に開始)、1981〜2004年に4回にわたり北米、東欧・西欧、アジア、アフリカ、オーストラリア、中南米80カ国で実施された世界価値観調査(World Values Survey)、100万人近い英国人を対象とした2004〜2007年の調査などのデータを用いた。幸福感と良好なメンタルヘルス(精神的健康)は、生涯でみるとU字型を示すことが判明。幸福度は20歳のときに高く、徐々に下降して40歳代で最低となり、その後再び上向きになるという。世界的にうつ状態になる可能性が最も高いのは44歳ころであった。ただし、米国では性差があり、男性は50歳代初め、女性は40歳ころが最低であった。研究者らは、快活な人が不幸な人より長生きする傾向があることを指摘しつつ、この知見が単に、かなわない願望を中年期にあきらめ、その後は他人が死んでいくなか自分が生きていることに感謝するようになることを示すものにすぎない可能性もあるという。Oswald氏は「40歳代で落ち込んでも普通だと思える点でこの知見は有用」としている。米テキサス大学医学部(ガルベストン)のJames S. Goodwin博士は「この知見は年齢や経験の価値を示すもの。年齢を重ねると知恵や知識が増える。中年期のつらい時期があってもその時期はいずれ終わり、その後は知恵や知識があることで前向きな展望を持つことができる」と述べている。(HealthDay News ) |
| ★性ホルモンと前立腺ガンの因果関係なしか | 男性の前立腺癌(がん)リスクと血液中の性ホルモンの量とは無関係であることが英国の研究で示され、医学誌「Journal of the National Cancer Institute」オンライン版に1月29日掲載された。この知見は、前立腺癌と血中ホルモン濃度の関係を調べた18の研究をレビュー(検討)して得られたもの。 前立腺癌は、米国では男性で皮膚癌に次いで多い癌で、米国癌協会(ACS)によると、2007年に22万人が新たに前立腺癌と診断され、2万7,000人がこの癌で死亡している。50歳以上、黒人、家族歴のある男性は前立腺癌のリスクが高いという。男性ホルモンであるアンドロゲンの値が高いことは、前立腺癌の危険因子(リスクファクター)であると長い間考えられてきた。英オックスフォード大学Cancer Research UK疫学部門のAndrew Roddam氏らは、ホルモンと癌リスクの関係について検討するために、前立腺癌患者および健常者を含む1万人強の研究データを分析。対象とした研究は1961年から2001年までに実施されたもので、前立腺癌患者のほとんどは60歳以降に診断を受けていた。年齢、BMI(ボディ・マス・インデックス:肥満指数として用いられる)、結婚歴、教育歴、喫煙歴およびアルコール摂取量などの因子について調整後は、診断前の性ホルモン濃度と前立腺癌発症リスクとの間に統計的な相関は認められなかった。また、性ホルモンの一つが極めて高く、別の性ホルモン濃度が極めて低いというようなホルモン濃度の組み合わせにも、前立腺癌リスクとの関連はみられなかった。米ノースカロライナ大学医学部助教授のPaul A. Godley博士は、この結果を受けて、研究者は血中ホルモン濃度のような変えることのできない因子でなく、栄養、生活習慣、環境面など改善可能な危険因子の研究に目を向けるべきだと述べている。一方、米メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク)のPeter T. Scardino博士は、男性ホルモンが前立腺癌と全く無関係と結論付けるのは誤りと警告。「今回の研究は血液中の性ホルモン量をみているが、前立腺自体のホルモン量はまた別であり、前立腺のホルモン環境を変化させることに効果がないと考えてはならない」と述べるとともに、「前立腺を縮小するフィナステリド製剤Proscar(日本国内未承認)や、同じフィナステリドを有効成分とする抜け毛防止用内服薬プロペシアなどは、血液ではなく前立腺内のホルモン値に直接作用するものであり、極めて有用である」としている。(HealthDay News ) |
| ★理研、ES細胞使い赤血球を無限に作製 02.06 |
万能細胞の一種、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使って赤血球を無限に作り出す方法にマウスでめどを付けたと、理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)の中村幸夫室長らが、6日付の米科学誌プロスワンに発表した。すでに人間のES細胞でも同様の研究を始め、別の万能細胞(iPS細胞)を使った研究も計画している。臨床応用できれば輸血用血液の不足を補えそうだ。 チームはこれまでに、人の骨髄などにある血液(造血)幹細胞から赤血球への分化を効率よく進める手法を確立しているが、幹細胞には寿命があり赤血球を無限に作らせることはできなかった。 今回はマウスの8種類のES細胞株を使い、栄養細胞や増殖因子とともに培養する実験を繰り返した。その結果、1年以上増殖し続ける3種類の赤血球前駆細胞株を作り出すことに成功した。前駆細胞が赤血球のもとになるので、赤血球を無限に作れることになる。 薬で急性貧血にしたマウスにこの前駆細胞を移植すると、赤血球の数やヘモグロビンの量などが増え、体内で前駆細胞が赤血球に分化したことが裏付けられた。貧血症状も改善。重症のマウスでは前駆細胞を移植した8匹のうち7匹が生き延びたが、移植しなかった8匹では7匹が死んだ。 万能細胞から作った細胞では異常増殖などによるがん化が最も怖い。だが完全な赤血球まで分化させれば増殖にかかわる情報を持つ核が抜け、がん化の心配はない。今回作った前駆細胞株ではできた赤血球の9割に核が残り、まだ分化が不完全だが、放射線を当てて核の残った細胞を完全に除くこともできる。 血液の細胞成分で無限作製への道が見えたのは初めて。人で実用化できれば、輸血用赤血球の不足が解消され、輸血血液を介した感染リスクの低減にも一役買いそうだ。同じ血液型なら他人のES細胞が使える。 中村さんは「人の血液幹細胞から成熟した赤血球への分化がすでにできていることを考えると、臨床にかなり近づいた」という。 ■臨床応用に期待 〈中内啓光東京大教授(再生医学・幹細胞治療)の話〉 ユニークで実用性が高い成果だ。赤血球は核がなく、移植の安全性も高い。造血系や免疫系は人間とマウスで似ており、人間の万能細胞でもできる可能性が高いだけに、近い将来の臨床応用が期待される(朝日新聞) |
| ★ES細胞から人の網膜細胞、再生医療に応用 | 万能細胞の一つ、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から人の目の網膜細胞を効率よく作り出すことに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)などのグループが成功した。これまで0.01%程度だった効率が一挙に30%近くまで引き上げられ、網膜の病気にからむ再生医療の実現性が高まった。3日付の米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版に掲載される。作製に成功したのは、小坂田文隆研究員ら。網膜の主要な細胞である光を感知する視細胞と、網膜に栄養を供給する網膜色素上皮細胞を作った。 グループは05年、マウスでES細胞から視細胞をつくった。ただ、成分が不明な牛の血清を使うなど人に応用するには安全面の問題があった。今回使ったのは、人のES細胞。培養時間を工夫して問題の成分を使わずに視細胞の前段階まで分化させた。さらに、視細胞への誘導には、レチノイン酸とタウリンが必要なことを突き止め、誘導された細胞のうち30%近くが視細胞になった。 体のあらゆる細胞になる能力を持った万能細胞では、京都大の山中伸弥教授らが作り出した人工多能性幹細胞(iPS細胞)が注目を集めているが、ES細胞とでは倫理問題や安全性などで長所短所が違う。比較研究をすることで、利点が明確になる上に、両者の万能性に違いがあるのかも確認できる。理研グループは、京大から提供を受けたiPS細胞でも網膜細胞の分化に成功し、すでに機能を比べる段階に入っている。 網膜は傷むと修復が難しい。今回の成果は、国内に約3万人の患者がいるとされる網膜色素変性や、高齢者の失明原因となっている加齢黄斑変性などの治療法の開発に役立つ見込みだ(朝日新聞) |
| ★筋萎縮性側索硬化症、悪化細胞特定 | 運動神経が衰え、全身の筋肉が徐々にマヒする難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の症状を悪化させる細胞を特定することに、理化学研究所の研究チームが、マウスを使った実験で初めて成功した。ALSの進行を防ぐ治療法の開発につながる成果で、4日の米科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」(電子版)に掲載される。特定したのは、脳や脊髄にある「アストロサイト」と「ミクログリア」と呼ばれる2種類の細胞。ALSの進行にかかわっていることがわかったのは初めて(読売新聞) |
| ★重症の腰痛に再生医療臨床へ |
東海大は4日、重い腰痛などの原因となる椎間板(ついかんばん)変性の患者を対象にした再生医療の臨床研究を今春から始めると発表した。背骨をつなぐ椎間板にある細胞を骨髄液内にある幹細胞で活性化させてから患者に戻す手法だ。世界でも例がない取り組みで、1月に厚生労働省に承認された。 責任者の持田譲治・同大医学部教授(整形外科)によると、4月をめどに始め、3年計画で、腰椎(ようつい)椎間板ヘルニアや腰椎分離症、腰椎椎間板症に苦しむ20歳以上、30歳未満の患者10人を対象にする。こうした患者は傷んだ椎間板を摘出して、その代わりに骨盤の骨を入れて固定する手術を受けるが、しばしば隣接する椎間板も変性が進む。 臨床研究では、この摘出した椎間板から、変性を抑制する働きを持つ髄核細胞を利用。患者本人の骨髄液中にあって、骨や筋肉などさまざまな組織になる幹細胞とともに、この髄核細胞を一緒に培養して活性化させる。活性化させた髄核細胞を変性を起こしている椎間板に注入し、病状悪化を防ぐのがねらいだ。 人の髄核細胞を使った事前の実験では、単独で培養するより活性が5倍になり、マウスに注入しても細胞ががん化するなどの異常はなかった。 国内の腰痛患者は800万〜1000万人とされ、このうちの約半数は腰椎椎間板の変性が引き金になっているとみられる(朝日新聞) |
| ★脳の判断惑わす「ニューロマーケティング」 | 価格が高ければ、その品物にそれだけの価値があるのだと人は思いがちだが、その判断が常に正しいわけではないことが、最先端の脳画像技術を用いた研究によって判明した。 米スタンフォード大学(カリフォルニア州)およびカリフォルニア工科大学(Cal Tech)の研究グループは、商品の価格を上げると、快感をコードする脳領域が活性化することを突き止めた。このように、生物学的な操作(ごまかし)によって快感の認知を増大させる研究は「ニューロマーケティング(neuromarketing)」(※神経科学の観点から、消費者心理や行動の仕組みを解明して、マーケティングに活用しようとする試み)と呼ばれる。Cal Tech経済学准教授のAntonio Rangel氏は「商品を変えなくても、値札を変えることで、快感を司る脳部位の活性を変化させることができる」と述べている。この知見は、米国科学アカデミー発行の「Proceeding of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に1月14日掲載され、同誌印刷版の1月22日号に掲載された。Rangel氏らは、20人の被験者を対象に、さまざまな価格のワインについて、どのくらいおいしく感じたかを評価させると同時に、機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳画像を撮影した。しかし実は、そのうち2種類のワインについては2回出され、1回は高い価格、もう1回は安い価格の値札がつけられていた。その結果、被験者は「安い」ワインよりも「高い」ワインの方で、おいしいと回答。また、fMRIの画像でも「高い」ワインを飲んだときの方が内側眼窩前頭皮質(匂い、味、音楽などによる快感に反応する部位)の活性が大きいことがわかった。商品から得られる快感は、その商品そのものによってのみ決まると考えられていたが、実際はそうではなく、その商品をいかに楽しめるかは、その人が信じていることに左右されることが示されたとRangel氏はいう。同氏は、商業目的ではなく、科学的な目的でニューロマーケティングを研究しており、「脳が何かを決定するときに、価格のような環境的変数がどれほど影響するのかを知りたい」と述べている。ある専門家は、ニューロマーケティングは、人の考え方を理解し、マーケティングを効率よくする手段であると捉え、「企業と消費者との関係を理解する上で革命的なもの」としている。しかし、別の専門家は、ニューロマーケティングを無害とはみなさず、医療機器や医療技術を利用して販売者が業績を上げようとするのは極めて問題が多く、特に子どもにとって厄介な問題と指摘。この研究で、人は多くの要因の影響を受け、無意識のうちに全く理性的でない商品の選び方をしてしまうことがあることがわかると述べている。(HealthDay News ) |
| ★英・3人の遺伝子持つ受精卵作製 | 女性2人と男性1人の計3人の親の遺伝子を持つヒト胚(受精卵)を作ることに、英ニューカッスル大の研究者らが成功した。ロイター通信など欧米の主要メディアが報じた。母親から子どもに伝わる一部の遺伝性の病気を防ぐことに道を開くものと期待される。今回の受精卵は、核に男女1人ずつの遺伝子が、その周囲の細胞質には別の女性の遺伝子が入っている。細胞質にはミトコンドリアという小器官があって、この中にも遺伝子があり、母親からのみ子どもに伝わる。研究チームは、ミトコンドリアの遺伝子異常を持つ女性の卵子と、男性の精子を体外受精した受精卵を作り出し、受精卵の核を正常なミトコンドリアを持つ別の女性の卵子に移植した。3人の遺伝子を持つ胚は10個ほど作製したが、英国の研究規制指針に基づき、5日以上は育てずに破棄したという。今回の技術はクローン作りにも用いられる「核移植」という方法を使っているが、今回のような応用については、医学的に有用として、研究が進められている。一方で、思い通りの遺伝子を持つ子ども「デザイナーベビー」作りにつながる恐れがあるとも指摘されている。研究チームは「ミトコンドリアの遺伝子による影響はわずかで、基本的には男女1人ずつの胚と同じ」と主張している(読売新聞) |
| ★愛知で「医学気象情報」を発信 |
毎日の天気で変わる風邪やぜんそくの発症危険度を知らせる「医学気象予報」(愛知県内)が、6日からインターネットなどで提供される。中部医学気象予報研究会(代表=須藤千春・中部大教授)が同県の助成を受けて行うもので、今後は脳梗塞(こうそく)などについても配信する。花粉症以外の病気の発症予報は極めて珍しいという。 風邪や脳疾患などは、気象の変化で発症したり病状が変わる「気象病」といわれる。須藤教授らは、名古屋市消防局の過去10年の救急搬送データ約50万件を基に40の疾患と気象の関係を調べ、発症しやすい条件を予測するシステムを開発した。風邪の場合、1日の搬送患者15人以上の日の気圧や温度、湿度、降水量などを分析し、発症する危険度を3段階に分類した。 この研究が愛知県の「健康長寿産業育成のための地域連携実証事業」に採用され、予報の配信が決まった。当面はインフルエンザなどの風邪と気管支ぜんそくについて、気象予報と照合して発症危険度を「大・中・小」で判定、予防情報と共にインターネットのホームページ(http: //www.medico-weather.jp)に掲載する。 携帯電話でも閲覧でき、今後は季節ごとに▽脳梗塞▽心筋梗塞▽熱中症▽尿管結石などの予報も行う。予報地域も尾張地域、三河地域に分ける。 医学気象予報は、欧米では「健康天気予報」として普及し、最近は地球温暖化に伴い、生活習慣病を中心とする気象病の早期警戒システムとして注目されている。須藤教授は「長寿社会では発症の予防、抑制が最優先課題。予報を積極的に活用してほしい」と話している(毎日新聞) |
| ★開業医の再診料引下げは見送り 01.31 | 2008年度の診療報酬改定を議論している中央社会保険医療協議会(中医協)は30日の総会で、開業医の再診料引き下げを見送る一方、病院勤務医の再診料を引き上げて両者の格差を縮小することで合意した。土田武史会長(早大教授)が提案し、各委員の了承を得た。これで診療報酬改定で最大の焦点だった再診料の取り扱いが決着した。 同じ病気で2回目以降の診察にかかる再診料は開業医が710円、勤務医は570円で、開業医が140円高い。中医協は当初開業医の再診料を下げる方針だったが、開業医が主体の日本医師会の強い反対を受けて断念。勤務医の再診料を上げることで両者の差を縮める方針に転換した。勤務医の上げ幅などは2月中旬までにつめる。 厚生労働省は総会に勤務医・産科・小児科医の待遇を改善して不足を解消する対策として、1500億円の報酬増を図ることを正式に提示した。この財源を開業医の再診料下げで捻出(ねんしゅつ)することができなくなったため、再診の際に上乗せする外来管理加算の引き下げなどで確保する方針(日経・いきいき健康) |
| ★インスリン分泌の「幹細胞」発見 | 血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓のベータ細胞のもとになる幹細胞を、ベルギーなどの研究チームがマウスで見つけた。幹細胞が人間でも見つかれば、ベータ細胞の破壊で起こる1型糖尿病の治療の可能性も広がる。科学誌セル最新号に発表された。肝臓や血球など体の様々な細胞は、それぞれに特有の幹細胞から作られるが、ベータ細胞の幹細胞は見つかっていなかった。研究チームは成熟したマウスを使った実験で、傷ついた膵臓ではベータ細胞が増えることを発見。その仕組みを詳しく調べ、分泌物を運ぶ導管の近くに幹細胞を見つけた。ベータ細胞を含む「ランゲルハンス島」膵島の様々な細胞を生み出すらしい。糖尿病の治療では、膵島移植が行われるが、膵島を培養して増やさなければならない。幹細胞の発見で膵島移植が効率よく実施できると期待される(読売新聞) |
| ★落第抗がん剤、関節リュウマチに効果大 |
抗がん剤としては落第した薬が関節リウマチに劇的な効果を示すことを東京医科歯科大膠原(こうげん)病・リウマチ内科の上阪(こうさか)等准教授、宮坂信之教授などのグループがマウスで確かめた。リウマチに効く仕組みが従来の薬と全く違って免疫をあまり抑えないため、数年後には副作用の低い治療薬開発が期待できるという。 関節リウマチは、リンパ球などが自分の体を破壊する自己免疫疾患の一種。関節が変形してはれ、激しく痛む。重症になると人工関節が必要になることもある。国内には約70万人の患者がいるとされる。 上阪さんらが調べたのはサイクリン依存性キナーゼという酵素を阻害する薬。抗がん剤として数種類が開発されたが、臨床試験での効果が弱く、ほとんどが開発中止になった。 上阪さんらは、正常細胞では働いているのに関節リウマチ患者の関節内の細胞では働いていない遺伝子に着目。この遺伝子にサイクリン依存性キナーゼを阻害する働きがあったことから同じ働きの「落第抗がん剤」をマウスで試した。すると、抗がん剤として使う量の3分の1の量で関節リウマチで異常に増える関節内の滑膜細胞の増殖を抑え、関節の破壊など病気の悪化を防いだ。 上阪さんは「抗がん剤としての臨床試験で副作用が少ないことはわかっている。最適の治療薬候補を探したい」といっている(朝日新聞) |
| ★経口禁煙薬発売 | ファイザー(東京都渋谷区)は29日、禁煙治療を目的に開発された、国内初めての経口禁煙補助薬「チャンピックス」(一般名・バレニクリン酒石酸塩)の製造販売承認を取得したと発表した。これまでの禁煙補助薬は、口内粘膜、皮膚から吸収するガムタイプやパッチタイプで、たばこ代わりにニコチンを補充して禁煙に伴うイライラ感を抑える仕組みだった。これに対し、チャンピックスは、ニコチン依存に関係する脳内の受容体に働きかけ、禁煙によるイライラ感、喫煙に伴う満足感も抑制することで禁煙効果を発揮するという。チャンピックスは0・5ミリ・グラム錠と1ミリ・グラム錠の2種類。投与期間は12週間で、医師の処方が必要になる。2006年8月に米国で販売が開始され、世界60か国以上で承認されている(読売新聞) |
| ★利根川教授、神経回路操作技術を開発 01.28 |
複雑な脳のネットワークの働きを解明するために、マウスの特定の神経回路を一時的に遮断する技術を、理化学研究所・米マサチューセッツ工科大学脳科学センターの利根川進センター長らが開発した。25日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。同センターのあるボストンが本拠地の大リーグ・レッドソックスの松坂大輔投手にちなみ、この技術を「DICE―K(ダイスケ)」と名付けた。 利根川さんらはマウスの遺伝子を操作して、特定の神経回路で毒素を働かせ、回路を遮断することに成功した。薬をえさに混ぜて、回路を回復させることもできる。各回路のスイッチを自在にオン・オフすることで、その働きを調べられる。 学習や記憶にかかわる海馬と呼ばれる脳の領域には、二つの重要な神経回路があることが知られている。その一方の回路をダイスケを使って遮断すると、新しい環境で素早く記憶する力が衰えることも突き止めた。 「老化などで記憶力が衰えるときにも、この回路がかかわっている可能性がある」と利根川さん。ダイスケは学習や記憶の解明に威力を発揮しそうだ(朝日新聞) |
| ★マウスiSP細胞で角膜再生 | 東北大の西田幸二教授(眼科)らのチームが、マウスの体細胞から作られた万能細胞(iPS細胞)を使い、角膜になる幹細胞にまで分化させて培養することに、京都大との共同研究で成功した。今後、人間のiPS細胞を使った実験を計画、すでに臨床応用されている角膜移植などと組み合わせることで拒絶反応のない再生治療の実現をめざすという。西田教授らは、京都大の山中伸弥教授からマウスのiPS細胞の提供を受けて、1年半前から研究を始めた。iPS細胞を1カ月ほどかけて増やした後、薬剤を使って分化を誘導し、角膜細胞の前の段階の細胞を取り出し、培養することに成功した。今後、角膜の細胞に完全に分化させる手法を確立し、臨床応用につながる細胞シートの作製につなげたい考えだ。 角膜の治療は、他人の角膜や角膜の細胞を培養して作ったシートを移植する方法と、患者本人の角膜細胞から作ったシートを移植する方法の2種類がある。ただ、他人の角膜を使う方法では拒絶反応を避けられず、患者本人の角膜からシートを作る方法は病気のためにうまく細胞が増えないなどの問題がある。患者の健康な部位からiPS細胞ができれば、そうした課題を克服できる。 今回はマウスでの成果だが、原理的には人も同じ手法で分化・誘導を実現できると考えられるという。西田教授は「ヒトのiPS細胞でも再現できれば、拒絶反応がなく、質が高い細胞シートを使った治療法を比較的早く実現できるのではないか」と話している(朝日新聞) |
| ★細菌ゲノム、完全合成。人工生命に道 | 細菌のゲノム(全遺伝情報)を人工的に合成することに、米クレイグ・ベンター研究所のチームが成功した。これまで、より原始的なウイルスでの成功例はあったが、自己増殖能力を備えた生物である細菌のゲノムを人工合成したのは初めて。人工合成ゲノムを実際に働かせることができれば、細菌の人工合成につながるだけに、「人工生命」づくりに向けた大きな前進だ。米科学誌サイエンス(電子版)に25日、発表する。人工合成したのは「マイコプラズマ・ゲニタリウム」という細菌のゲノム。 チームはまずゲノム全体の8分の1〜4分の1の大きさの分子を試験管内で化学合成。これらの「部品」を大腸菌に入れ、遺伝子組み換えでくっつけ、大きな部品をつくった。さらに大きな部品を酵母の中で同様にくっつけ、完全なゲノムを合成した。 生物の設計図であるゲノムの人工合成は、特定の能力を備えた「人工生命」づくりの前提となる技術。バイオ燃料を製造したり、有害廃棄物を分解したりするのに必要な人工微生物づくりなどへの応用が期待されている。 人工生命づくりには、合成したゲノムをどうやって働かせるかなどの課題はあるが、チームは昨年、ある細菌のゲノムと別の細菌のゲノムを入れ替えることにも成功しており、こうした技術との組み合わせで「人工生命」が誕生するのも時間の問題、という見方も広まってきている。 しかし、人工生命はテロへの悪用、自然界への悪影響などの懸念がつきまとう。 国立遺伝学研究所の小原雄治所長は「生命のデザインを可能にする大きな一歩だ。ただ、人工微生物を人間が制御できなくなったときにどう対応するのかなど、二重、三重の安全対策を考えていく必要がある」と話す(朝日新聞) |
| ★肝臓移植で血液型が変わった! |
肝臓移植を受けたオーストラリアの少女(15)が、臓器提供者(ドナー)と同じ血液型と免疫システムに自然に変わり、拒絶反応を抑える免疫抑制剤の必要がなくなったことが分かった。米医学誌に極めて特異なケースとして掲載され、医師は「こうした例は世界的に知られていない」としている。 25日付のオーストラリア各紙によると、少女は6年前、ウイルス感染で肝機能が低下、移植手術を受けた。免疫抑制剤を服用していたが、術後9カ月ごろに体調が悪化。調べたところ、「O型Rhマイナス」だった血液型が、ドナーと同じO型Rhプラスに変わり、移植した肝臓中の幹細胞が少女の骨髄に根付いていた。免疫システムがドナーのものにほぼ取って代わられ、骨髄移植と同じ効果が得られたという。 担当したシドニーのウエストミード小児病院の医師団は「メカニズムの解明はこれから」としているが、ドナーが12歳と若かったことや、少女の白血球が少なかったことなどが理由ではないかと推測。今後、免疫抑制剤の副作用に苦しむ移植患者の治療に役立てられればとしている(毎日新聞) |
| ★梅毒はやはりコロンブス隊が・・・ |
梅毒を欧州に持ち込んだのは、15世紀に新大陸を探検したコロンブス隊だった――。病原体の梅毒トレポネーマの遺伝子解析をもとに、米エモリー大のチームが「通説」を裏付ける論文を米電子版科学誌に発表した。 梅毒については、「古くから欧州に存在していた」という説もあって、コロンブス隊が持ち込んだという「通説」との間で論争があった。 研究チームは、世界各地の梅毒トレポネーマ26種類の遺伝子を解析。微妙な違いをもとにそれぞれの系統を探った結果、梅毒はそれほど古くない時期に南米で人間の感染症として最初に出現したことがわかった。古くから欧州に存在していたとは考えにくいという。 欧州で最初に梅毒が流行したのがコロンブス隊が新大陸に到着した1492年の数年後だったことや、「隊員が梅毒らしき症状で苦しんだ」といった記録などの状況証拠もあるため、研究チームは「通説」は正しいと指摘した(朝日新聞) |
| ★東大グループ、「エボラウィルス」無毒化成功 |
感染すると致死率の高いエボラ出血熱の原因となるエボラウイルスを遺伝子操作で無毒化することに、東京大医科学研究所の河岡義裕教授らのグループが成功した。22日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。 河岡教授らは、エボラウイルスの八つの遺伝子のうち、増殖に欠かせないVP30という遺伝子を取り除いたウイルスを作った。ヒトには感染せず、この遺伝子を実験用のサルの細胞に組み込むと作ったウイルスが増殖することを確認。ウイルス自体の性質は変わらないという。 エボラウイルスは危険度が高いため、限られた施設でしか扱えない。このウイルスを使えば、より安全に実験ができ、治療薬やワクチンの開発の進展が期待される。 アフリカで散発的に流行が起こるエボラ出血熱は患者の血液などから感染し、致死率は50〜90%に上る。発熱や下痢が激しく、体中から出血しやすくなり多臓器不全を起こす(朝日新聞) |
| ★副作用・合併症の論文医療訴訟怖れ激減 |
治療の副作用や合併症に関する医学論文の数が昨年後半から急激に減少したことが、東京大医科学研究所の上(かみ)昌広客員准教授(医療ガバナンス論)らのグループの調査で分かった。このうち、診療中に起きた個別の事例を取り上げた「症例報告」はゼロに近づいた。グループは、厚生労働省が検討する医療事故調査委員会の発足後、行政処分や刑事責任の追及につながることを医師が恐れて萎縮(いしゅく)し、発表を控えたためと推測している。 グループは昨年12月中旬、国内の医学論文のデータベースを使って、06年1月〜07年10月に出された副作用や合併症などに関する論文を探し、総論文数に対する割合を月ごとに調べた。 その結果、国内では毎月、1万〜4万件前後の医学論文が発表され、一昨年から昨年前半までは合併症の論文が全体の13〜17%あった。しかし、昨夏ごろから急減し、10月には約2%になった。副作用の論文も以前は4〜6%あったが、昨年10月には約2%に減った。 特に、副作用の症例報告は、以前は1%前後あったが、昨年10月にはゼロになった。合併症の症例報告も、以前は5〜9%あったが、昨年10月には0.1%しかなかった。 厚労省は昨年10月、診療中の予期せぬ死亡事故の原因を究明するために創設する医療事故調査委員会の第2次試案を公表した。死亡事故の国への届け出を医療機関に義務付け、調査報告書は行政処分や刑事責任追及にも活用する場合もあることを盛り込んだ。10年度をめどに発足を目指している。 上客員准教授は「副作用や合併症が報告されない状態が続くと、医学が発展せず、国民の被害は大きい。リスクの高い診療科からの医師離れも促す。調査報告書は行政処分や刑事責任追及に使われないようにすべきだ」と訴えている(毎日新聞) |
| ★コーヒー1日2杯で流産のリスク? | 1日に2杯以上コーヒーを飲む妊婦は飲まない人と比べ、流産の危険が2倍になる―。そんな調査結果が21日、米国最大の会員制健康医療団体「カイザー・パーマネント」(カリフォルニア州オークランド)の研究チームによって明らかになった。 米産婦人科ジャーナルに掲載された論文によると、研究チームは1996年10月から98年10月にかけ、同州サンフランシスコの1063人の妊婦を調査。 その結果、1日にコーヒー2杯分に相当する200ミリグラムのカフェインを摂取した妊婦はカフェインを取らない妊婦と比べ、流産する割合が2倍に高まった。 コーヒーだけでなく紅茶などを通じ、カフェインを摂取した妊婦も流産の危険が高かったことから、研究チームはカフェインが原因物質と結論付けた。 カフェイン摂取は胎盤の血流減少などを引き起こし、これらが胎児に悪影響を与える可能性があるという(日経いきいきネット) |
| ★乳がんを唾液検査で発見 | 乳癌(がん)を早期に検出できる唾液検査が、米テキサス大学ヘルスサイエンスセンター(ヒューストン)の研究グループによって開発されたことを、BBCニュースが報じた。 今回の研究では、女性30人から採取した唾液検体を調べ、乳癌の有無によって違いが生じる49種類の蛋白(たんぱく)を特定。BBCニュースによると、この蛋白から、腫瘍が悪性か良性かを判別できる可能性もあるという。検査は簡単で、診察室や歯科医院でも短時間に癌検査ができるようになる可能性もあると研究グループは述べている。研究は、医学誌「Cancer Investigation」1月10日号に掲載された。研究グループは現在、この唾液検査のプロトタイプを用いた臨床試験を計画しているほか、子宮頸癌をはじめとするほかの癌の検出への活用も検討している。(HealthDay News ) |
| ★認知症診断後の余命5年 | 認知症患者の診断からの平均余命は4年半であることが示され、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に1月11日掲載された。生存期間は、年齢、性別および身体障害の有無によって左右されるが、結婚歴や社会階級、地域社会(コミュニティー)で暮らすか老人ホームに暮らすかなどの社会経済的な因子による影響はみられないという。 今回の研究では、英イングランドおよびウェールズの地域集団ベースの研究に参加し、1991年から2005年まで定期的に認知症の検査を受けた65歳以上の1万3,000人強のデータを分析。14年間に438人が認知症を発症、このうち356人(81%)が死亡した。最も若年(65〜69歳)の患者では平均余命が10.7年、最も高齢(90歳以上)の患者では3.8年と、7年の差があることが判明。診断時からの平均余命は女性で4.6年、男性で4.1年であった。診断時に大きな身体障害のあった患者は、障害の最も少ない患者に比べ余命が約3年短かった。高学歴の人は低学歴の人に比べてわずかに余命が短かったが、統計学的に有意な差ではなかったという。認知症診断後の余命に影響をもたらす因子がわかれば、医療従事者、患者、介護者および政策立案者にとっても役立つはずだと研究著者らは述べている。(HealthDay News ) |
| ★子供の居る男性に前立腺癌リスク? | 子どもを持つ男性は、子どものいない男性に比べて前立腺癌(がん)のリスクが高いことがデンマークの研究で示され、医学誌「Cancer」オンライン版に1月7日掲載された。同誌印刷版には2月15日号に掲載される予定。 1935〜1988年にデンマークで出生した全男性を対象とした大規模研究で、子どものいない男性は前立腺癌リスクが17%低いことが判明した。この理由について、研究を行ったStatens Serum(血清)研究所(コペンハーゲン)のグループは、生物学、環境、社会、行動のどのような因子が関わっているのかは不明と述べている。2005年に発表された4万8,800人強の前立腺癌患者を対象としたスカンジナビア地域の研究でも、子どものいない男性では前立腺癌リスクが17%低いとする結果が出ており、今回の結果はこれに一致する。この2つの研究では子どもの性別による前立腺癌リスクへの影響は認められていないが、数年前にイスラエルで実施された大規模研究では、息子を持つ男性は持たない男性に比べて前立腺癌リスクが40%高いことが示されているという。イスラエルの研究を率いた米ニューヨーク大学教授Susan Harlap博士は「この結果の違いは、因子の複雑さを示している」と述べ、イスラエル系ユダヤ人と北西ヨーロッパ人とでは前立腺癌の発症率が異なる点を指摘。息子を持つこととの関係がみられることから、Y染色体の変異が関わっている可能性もあり、そうだとすれば民族に特有のものであるとHarlap氏は述べている。スカンジナビアの2研究の間にも相違点がみられる。今回のデンマークの研究では、子どものいる男性では、子どもの数が増えるにしたがって前立腺癌リスクが低下する傾向が認められたが、先に行われた研究では子どもの数によるリスクの変化は認められなかった。米国癌協会(ACS)のOtis Brawley博士は今回の結果は、単に統計学的に有意差があるだけで偶然によるものと述べ、「統計学的に有意差がみられても生物学的に有意差があるわけではないものも多い」と指摘している。いずれにせよ、子どもを持たないことに前立腺癌の強い予防効果はなく、この結果を受けて男性が子どもを作らないようにする必要はないという。「本当に相関関係があるとすれば、その原因を知りたいと思うが、永久にわからないだろう」とBrawley氏は推察している。(HealthDay News ) |
| ★中核救急病院、2年間で174箇所閉鎖 01.20 |
地域の救急患者を受け入れる中核的存在の「2次救急病院」が、この2年間で174カ所減ったことが、朝日新聞の全国調査でわかった。深刻化する医師不足や経営難が影を落とした結果、減少傾向が加速しており、新たに救急を掲げる病院がある一方、救急の看板を下ろしたのは、2年間で全体の5.6%にあたる235カ所に上る。急患の収容先選びが困難になり、搬送遅れが続発するなど市民生活への打撃は大きい。国の医療費抑制政策が救急医療の根幹を揺るがしている実態が、色濃く浮かんだ。 日本の救急医療機関は、開業医らが軽症患者を診る「1次(初期)救急」▽入院や手術の必要な患者を治療する「2次救急」▽救命救急センターなど重篤患者に対応する「3次救急」に分かれ、中でも、多くの市にある公立・民間の2次救急病院が地域医療の中心的担い手となっている。調査は、救急医療計画を策定する各都道府県を対象に、05年10月〜07年10月の増減状況を尋ねた。 全国の2次救急病院は05年10月時点で4170カ所あったが、2年後には3996カ所となり、174の純減。救急対応をやめた235カ所に加え、21カ所が3次救急に移行するなどした一方、新たに82カ所が2次救急病院になった。04年以前のデータがある自治体の多くで、05〜07年の年間減少数がそれ以前を上回り、減少率が高まっている。 2次救急病院の減少数トップは福岡県の26カ所。県東部の京築地区で市町村の補助金が打ち切られた結果、当番制で急患を受け入れる「輪番制度」がなくなり、10病院が一気に救急から外れたのが響いた。東京都の15カ所、大阪府の14カ所がこれに続き、診療報酬の改定に伴う収入減などで、診療体制を縮小する病院が都心部で増えている実情を裏づけている。当直の確保で人件費がかさむ救急が不採算部門になっている例も多く、東京では、5病院が破産や廃院に追い込まれていた。 地域別では、四国の落ち込みが著しく、全体の11%にあたる22カ所の減。北陸・甲信越でも8%(22カ所)減少し、激務などから救急勤務医の退職が相次ぐ地方病院の苦悩が際立っている。 こうした状況を背景に、各地で救急患者の搬送先探しが難しくなっており、兵庫県姫路市では昨年12月、吐血して搬送された男性が17病院に受け入れを拒まれた後に死亡。大阪府富田林市でも下痢や嘔吐(おうと)で搬送された女性が30病院に断られた翌日に亡くなった。福島市では同11月、交通事故に遭った女性が4病院に計8回搬送を拒否された後、死亡している。 このほか、2次救急に指定されている診療所も同時期に57カ所減り、404カ所になった。2年間で12%が消えたことになる。 調査と並行して、救急対応をやめた235病院のうち、自治体が公表しなかった病院などを除く227病院に撤退の理由(複数回答可)を聞き、204病院から回答を得た。 最多は「医師や看護師の不足」で66病院。次いで「診療所への変更」(40病院)が多く、「療養型病院などへの転換」も28病院あった。「地域の輪番制度がなくなった」が24病院、「倒産・廃院」は20病院だった。 スタッフ不足を挙げた病院は地方に顕著で、「大学の医局による医師引き揚げで常勤医が10人以上減った」「医師が半減し、当直態勢が取れなくなった」などと事情を説明。「看護師が給与の高い都市部へ流れ、夜間の救急体制が築けない」との声も多かった。 都市部では、人手不足を訴える病院が多い一方で、「救急での収益が期待できない」「病院の収支が厳しい中で続けるメリットがない」など、経営上の理由も目立った。中には「当直医の専門外の患者が来る救急は、訴訟リスクが高い」と回答した病院もあった(朝日新聞) |
| ★細胞植え付け、心臓再生(ラット) | 死んだラットの心臓を型枠にして、別のラットの細胞を植え付けて拍動する心臓を丸ごと再生するのに米ミネソタ大の研究チームが成功、14日までに米医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。皮膚や軟骨などの組織や、ぼうこうの再生はこれまでも行われているが、本格的な臓器再生につながる成果として注目を集めそうだ。 チームによると、取り出したラットの心臓を特殊な溶剤で処理して細胞を除去し、心室や心臓弁、冠状動脈といった三次元構造がそのまま残ったコラーゲンなどからなる細胞外基質の塊を作製。 この基質を型枠として、生まれたばかりのラットの心臓の細胞を注入して培養すると、心臓の細胞が増殖。4日後に心筋の収縮が起こり、8日後には全体が拍動し始め、血液を押し出す力は大人のラットの2%になった。 チームは、人間の心臓の大きさや形に近いブタの心臓でも細胞の除去に成功した(日経・共同) |
| ★飲む禁煙薬、うつ病のリスク | 製薬世界最大手の米ファイザーは18日、飲む禁煙薬「チャンティックス」を服用した患者がうつ状態になったり自殺したりする懸念があると警告した。米国で医師に配布する説明書にこうしたリスクを詳細に記載し、患者の行動をよく監視するよう呼びかける。日本でも「バレニクリン」の呼称で同薬の発売を計画している。 服用と精神疾患の因果関係は今のところ明らかではない。ただ服用後に興奮しやすくなったり自殺願望を抱くなどの異常行動が相次いでいる。米食品医薬品局(FDA)も調査に乗り出しており、まず注意書きの表現を強めたうえで目立つようにする。 チャンティックスは2006年夏に米国で発売。ニコチンを含まない新しい型の飲む禁煙薬で、脳内の特定の受容体に結びついて喫煙と同様の状態をつくり、禁煙を助ける。医師の処方を受けると服用できる。2007年7―9月期には世界売上高が前年同期比で7.3倍に急拡大している(日経・いきいき健康) |
| ★レーシック視力矯正、長期有効 | レーザーで角膜の形を変えるレーシック(LASIK)手術により、強度の近視を少なくとも10年間は効果的かつ安全に矯正できることが示され、医学誌「American Journal of Ophthalmology」1月号で報告された。 近視は水晶体あるいは角膜の屈折が強すぎることにより生じるもので、米国オプトメトリック協会(AOA)によると、米国ではほぼ3人に1人が近視であるという。近視を矯正するレーザー手術は1990年前半から実施されているが、長期的な効果についてはこれまで不明であった。今回、スペイン、ミゲル・エルナンデスMiguel Hernandez大学およびトルコ、アンカラ大学医学部の研究グループが、レーシック術を施行した196眼を対象とする10年にわたる研究の結果を報告した。研究グループは、手術前に20/20(1.0に相当)の視力を得るのに10ジオプターの矯正が必要であった患者118人のデータを収集。ジオプターとは、水晶体の屈折を示す単位で、10ジオプターの矯正は強度の近視であることを示す。術後10年で評価を行った結果、ほとんどの患者にある程度の視力回復が認められ、40%は眼鏡の使用が完全に不要となった。10年後、手術を施行した眼の61%が2ジオプターの矯正範囲内であった。レーシック術の副作用と思われる角膜拡張症が認められたのは1%にとどまった。10年の間に再治療を必要とした患者は約3分の1(27%)であった。レーシックの技術には限界があるとする予測に反し、今回、強度近視患者への効果と安全性について長期的にみても非常に優れているとの結果が示されたと、研究を率いたスペインのJorge L. Alio氏は述べている。(HealthDay News ) |
| ★指の長さで、膝変形性関節症のリスク判明? | 人差し指が薬指よりも短い女性は膝(ひざ)の変形性関節症(OA)のリスクが高いことが、医学誌「Arthritis & Rheumatism」1月号で報告された。 人差し指と薬指の長さについてはこれまでに広く研究されており、男性は人差し指よりも薬指が長く、女性は長さに差がない傾向があるとされている。過去の研究では、人差し指が薬指より短い人は、胎児期に浴びたテストステロン(男性ホルモン)値が高く、エストロゲン(女性ホルモン)値が低いこと、男性では精子数が多いことが明らかにされている。変形性関節症には運動およびエストロゲン欠乏が関わっていることから、英ノッティンガム大学リウマチ学教授のM. Doherty博士らのグループは、指の長さと膝および股関節の変形性関節症リスクとの相関の有無を検討した。研究グループは、ノッティンガム市内の病院から収集した変形性関節症患者2,000人強のデータを分析。また、変形性関節症の病歴および症状のない1,100人強を対照群に設定した。参加者はいずれも63〜67歳であった。全参加者の膝、骨盤および手のX線写真を撮影。指関節の基部から頂部および中手骨の長さを視覚評価し、3つのグループに分類した。人差し指が薬指より長いものをタイプ1、長さが同じものをタイプ2、人差し指が薬指より短いものをタイプ3とした。その結果、過去の研究と同様、タイプ3に分類された男性は女性の2.5倍であった。タイプ3の手をもつ人は膝変形性関節症のリスクが2倍であり、タイプ3の女性は男性よりもそのリスクが高いこともわかった。また、薬指に対する人差し指の長さの比が小さいほど膝変形性関節症のリスクが高く、年齢、性別、体重、けが、座りがちな生活などの因子を考慮してもなお、この関係がみられた。Doherty博士は、薬指が人差し指よりも長い「男性」型の手をもつ女性の膝変形性関節症リスクが特に高い点を指摘している。(HealthDay News ) |
| ★前立腺ガン、危険な併用療法 | 前立腺癌(がん)治療のホルモン療法を受け、心臓を保護するためにベビー(小児用)アスピリンを服用している男性では、死亡リスクが有意に高くなり、最終的にホルモン療法を中止せざるをえなくなることが、新しい研究によって示唆された。 前立腺癌に対し、男性ホルモンであるアンドロゲンの産生抑制や受容体結合阻害を目的としたホルモン療法が行われるが、高齢男性や糖尿病、喫煙男性では、心臓発作予防のためにベビーアスピリンを服用している例が多い。米医学誌「New England Journal of Medicine」12月27日号に掲載された今回の研究は、前立腺癌の転帰に対するアスピリンの影響を検討したもの。米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院/ダナファーバーDana-Farber癌研究所(ボストン)のAnthony V. D'Amico博士らは、放射線療法単独と放射線療法+ホルモン療法併用とを比較する試験に参加していた限局性前立腺癌患者206人のデータを分析。ホルモン療法では、抗アンドロゲン制剤のフルタミドを6カ月間投与した。その結果、6カ月間のホルモン療法を完了しなかった男性は完了した男性に比べて死亡率が3倍高く、アスピリン使用患者ではホルモン療法を中止せざるをえない確率が高いことが判明した。D'Amico氏は「フルタミドには肝機能検査値を上昇させる傾向があり、上昇した場合には一時的でもホルモン療法を中止しなければならない」と説明。ホルモン療法とアスピリンの相互作用はウサギを用いた動物試験でも示されており、併用すると血中のアスピリン濃度が100倍になり、中毒量となる。同氏は、今回の研究で因果関係が確立されたわけではないがその可能性は高いとして、癌専門医に対し、アスピリン服用が心疾患予防のためだけであれば、癌治療期間中の服用中止が可能かどうかを検討し、服用がどうしても必要であればホルモン療法を用いずに前立腺癌の治療を行うよう促している。(HealthDay News ) |
| ★4,50代歯の健康は最低 | 財団法人ライオン歯科衛生研究所がまとめた「口腔(こうくう)の健康に対する意識調査」によると、口内と歯の健康についての意識は小中学生で最も高く、40―50代で最低だった。歯周病や歯の喪失が増える60代では再び口腔の健康に対する意識が高まった。同研究所では「20歳以上を対象にした口腔ケア教育が重要だ」と分析している。 全国の小学5年生から60歳以上の高齢者約900人を対象に調査した。回答者は「歯と口腔の健康」「口腔機能」「コミュニケーション」「お口の美しさ」「笑顔」の計5項目について、健康で楽しい生活を送る上でどの程度重要と思うかを「非常に重要だと思う」から「全く重要だと思わない」の7段階の基準で選んだ(日経産業) |
| ★医者も信じる「医学的俗説」 | 「健康のためには1日8杯水を飲むとよい」「人の脳は平均10%ほどしか使われていない」「暗いところで本を読むと目が悪くなる」などの話は、いずれも事実ではない。しかし、このような考えは依然として蔓延(まんえん)しており、医師でさえ信じる人がいるという。 米インディアナ大学医学部のRachel Vreeman博士およびAaron Carroll博士は、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」12月22日号に掲載された報告で、このような医学的俗説の7つをやり玉に挙げている。その7つを取り上げたのは、それらが医師の口からも聞かれるほか、メディアでもよく使われているためだという。同じような俗説に関するウェブサイトに関わっている米アーカンソー大学助教授Graham F. Greene博士も、脳の話は自分も信じそうになったと認める。また、「毛をそると濃くなる」との話も、自分の母親が言っていたのを聞いた覚えがあるという。この俗説は1928年以来、対照試験を行った研究で否定されているにもかかわらず、今も広く信じられている。このほかの俗説として、「人の死後にも髪やつめが伸び続ける」といわれるのは、実際は死後皮膚が収縮するために、そのように見えるのだとVreeman氏らは説明する。また、「七面鳥にはトリプトファンが豊富に含まれるため、食べると眠くなる」といわれるが、実際にはそれほどのトリプトファンは含まれていないという。「七面鳥を食べるとき、一緒に飲むワインのせいだろう」とのこと。この7つには入っていないが、「チューインガムを飲み込むと胃の中に7年間残る」などという俗説もある。Vreeman氏らは現在、100を超える医学的俗説に関する本を執筆中だという。(HealthDay News ) |
| ★特発性肺線維症、純血犬(テリア)で研究 | 米国では、肺での瘢痕(はんこん)化が進行し、徐々に呼吸ができなくなる特発性肺線維症(IPF)と呼ばれる疾患により、年間4万人以上が死亡している。この原因不明で治療法もない疾患と極めて似た致死的な病状が、小型犬のウエストハイランド・ホワイトテリア(Westieウエスティ)でも見られることから、情報の共有と知識の蓄積を目的に、医師と獣医師が初めて一堂に会した。 この会議は、米国ウエスティ基金(WFA)と米国ケンネルクラブ(AKC)イヌ健康基金の支援により、2007年10月に米パデューPurdue大学(インディアナ州)で開かれたもの。専門家は、ウエスティが非常に純粋な血統であり、イヌのほうがヒトよりも疾患の進行が速いことから、その研究が両種の肺線維症を引き起こす遺伝的要因または環境的要因を明らかにする貴重な手掛かりとなりうるとしている。米国の患者支援団体、肺線維症連合(CPF、カリフォルニア州サンノゼ)のMark Shreve氏によれば、IPFでは細胞レベルで何らかのシグナル伝達がうまく働かず、正常組織が線維性の硬い瘢痕組織に変わるという。米エモリーEmory大学(アトランタ)医学部教授のJesse Roman博士も、IPFの根本的原因を発見するための手掛かりはほとんどないと述べている。英エジンバラ大学小動物病院長のBrendan Corcoran博士は「イヌの疾患がヒトの疾患と同じかどうかはまだ意見が分かれるところだが、同じ疾患であることが明らかになれば、イヌで得られた情報をヒトの疾患を理解するために、どのようにとらえ扱うか、あるいはその逆について選択肢が限りなく広がることは間違いない」と期待を寄せている。ウエスティにおける正確な罹患率は不明であり、イヌの肺組織の死後検体の入手も困難であるといったさまざまな問題があるが、Corcoran氏は、純血種のウエスティが遺伝的研究の重要な手がかりとなり、寿命が短いので疾患を「早送り」で見ることができ、結果として研究速度も速まると指摘。さらに、イヌでは喫煙などの交絡因子(confounding factor)もないことから、疾患自体を純粋に調べることができるとしている。(HealthDay News ) |
| ★ED治療薬に消費者懐疑的、しかし購入はネットで | インターネットで販売しているED(ぼっき不全)治療薬の安全性に多くの人が疑問を持っているにもかかわらず、6割の人がネット経由で購入を希望していることが日本イーライリリー(神戸市)がまとめた調査で明らかになった。心臓に悪い、興奮作用があるなど安全性と効果を誤解している人が多いこともわかった。 調査対象は20歳以上で「自分はEDだと思う」「EDだと疑ったことがある」1031人の男性。インターネットを通じて2007年11月に実施した(日経産業) |
| ★「脳科学」研究への期待と不安 01.10 |
脳科学への期待は大きいけれど、規制も必要になる――。文部科学省の研究班(代表=福山秀直・京都大教授)による脳科学に対する意識調査から、国民のこんな考え方の傾向が浮かび上がった。脳科学の急速な発展で他人の心を読んだり、知的能力を高めたりできる可能性が出てきたことから、社会的影響を検討し、政策につなげるために調べた。研究班は全国で20〜69歳の男女2500人に、インターネットで質問に答えてもらった。「脳科学の発展は人々を幸福にする」との意見に「賛成」「どちらかといえば賛成」は合わせて49%。「反対」「どちらかといえば反対」は計7%だけだった。ただ、「脳科学の研究は、きびしく規制されなければならない」に対しては、「賛成」「どちらかといえば賛成」が計56%と過半数を占めた。思考・感情を読み取る技術を、「犯罪捜査」と「法廷での証言の真偽判定」に実用化することには、いずれも「望ましい」「どちらかといえば望ましい」が合わせて54%だった。一方、「企業の人事管理のため」には「望ましくない」「どちらかといえば望ましくない」が計65%にのぼり、期待と不安が用途でばらつくこともわかった。 14日に京大である国際シンポジウムでこうした結果の一部を発表し、5月ごろには総合的な分析結果をまとめる予定だ(朝日新聞) |
| ★煙草吸わず、酒も程々で野菜摂取が長生きの秘訣 |
たばこを吸わず、飲酒はほどほど、野菜と果物を十分に取り、適度な運動をする人は、そうした習慣のない人よりも14年長く生きられるとの調査結果を、英ケンブリッジ大の研究チームが米医学誌に8日発表した。どれも健康に良いとされる生活習慣だが、具体的な利益をはじき出した点で意義があるという。チームは、45〜79歳の健康な住民約2万人を対象に、健康調査を実施し、2006年までの死亡率と生活習慣との関係を解析した。その結果、(1)喫煙しない(2)飲酒はワインなら1週間にグラス14杯まで(3)1日に最低こぶし五つ分程度の野菜、果物を取る(4)1日30分ほどの軽い運動をする−−習慣がある人は、四つともない人より同年齢で病気による死亡率が4分の1と低く、14年分の寿命に相当することが分かった(毎日新聞・共同) |
| ★眠り浅いと糖尿病リスク拡大 |
熟睡できない日が続くと2型糖尿病になる危険性が増すことを、米シカゴ大の研究チームが突き止めた。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。小規模な実験ながら、眠りが浅いと血糖値を正常に保つ機能に悪影響があったという。感染症などをきっかけに小児期に発症することの多い1型糖尿病とは違い、糖尿病の大部分を占める2型は生活習慣が主な原因とされる。睡眠時間が短い高齢者や、睡眠時無呼吸症候群で眠りの浅い太った人に目立ち、眠りの質との関連が指摘されてきた。研究チームは今回、20〜31歳の健康な男女9人を対象に、眠りの質と、血糖値を正常に保つインスリンの効きぐあい(耐糖能)の関係を調べた。被験者の脳波を測定しながら、実験室で8時間半ほど眠ってもらった。深い眠りを示す脳波が出始めたら、目覚めるほどの音量ではないものの、深い眠りを妨げる程度の騒音をベッドわきのスピーカーから出した。3日にわたって実験した結果、被験者の耐糖能が実験前より25%ほど下がり、糖尿病に近い状態になっていた。研究チームは「睡眠時間を長くするとともに、眠りの質をよくすることで、2型糖尿病の予防につながる可能性がある」という(朝日新聞) |
| ★ピロリ菌、発癌メカニズム解明か? |
人の胃にすみ着くピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)がつくるたんぱく質にがんを引き起こす働きのあることを、北海道大遺伝子病制御研究所の畠山昌則教授(分子腫瘍(しゅよう)学)らのグループがマウスの実験で明らかにした。今週の米科学アカデミー紀要電子版に発表する。胃がんなどを起こす仕組みの解明につながる成果だ。ピロリ菌が胃の粘膜の細胞にくっつくとCag(キャグ)Aというたんぱく質を細胞内に打ち込むことが知られている。 畠山さんらはCagAを作るピロリ菌の遺伝子を取り出してマウスの受精卵に組み込み、全身の細胞にCagAが入るとどうなるかを調べた。すると、約200匹のマウスの半数以上は生後3カ月までに胃の粘膜の細胞が異常増殖して胃壁が厚くなり、その後約20匹で胃にポリープができた。さらに1年半以内に2匹が胃がん、4匹が小腸がんを発症。白血病になったマウスも17匹いた。 これまでの細胞レベルでの研究で、CagAが細胞内で別のSHP―2というたんぱく質と結びつくと細胞のがん化が起きることを突き止めていたため、SHP―2と結合しないように細工したCagAをつくらせてみると、マウスはがんにならなかったという。 畠山さんは「CagAががんを起こすことが、個体レベルで証明できた。将来、CagAとSHP―2との相互作用を妨げる薬の開発ができるかもしれない」という(朝日新聞) |
| ★骨粗鬆薬で顎の骨などの壊死・副作用か? | 骨粗しょう症の代表的な治療薬「ビスフォスフォネート(BP)製剤」を使っている人で、歯科治療後にあごの骨が壊死(えし)するなど副作用に見舞われている人が全国で少なくとも30人に上ることが日本口腔(こうくう)外科学会(理事長=福田仁一・九州歯科大学長)の調べで分かった。薬と抜歯などの治療後の細菌感染が重なったのが原因とみられる。国内では、高齢の女性を中心に骨粗しょう症患者は約1000万人と推定され、100万人以上がBPを服用していると言われている。厚生労働省は、BP使用によるあごの骨の壊死に関連する副作用の診断基準などを掲載した重篤副作用疾患別対応マニュアルを早急にまとめ、患者や医師に注意喚起する方針だ。BPは、骨の代謝を抑える作用があるほか、がんの骨転移による骨壊死を防ぐ働きもある。同学会は昨年、BPを普段使っている患者に、抜歯後の穴が埋まらず骨が露出し、あごの骨が腐ったり、炎症が悪化したりする副作用が続出したのを受け、全国の主な歯科治療施設239か所を対象にアンケート調査を実施した。その結果、30人があごの骨が腐る、骨髄炎などの重い「副作用」を起こしていたことが判明。平均年齢は66・9歳で、女性が26人と大半を占めた。乳がん治療などの一環として注射を受けている人が25人と多く、骨粗しょう症治療のために錠剤を飲んでいる人は5人だった。副作用が出たのは、抜歯後が16人と最も多く、インプラントや義歯装着でも発症。歯周病など口内に問題があって発症したケースも5人いたという。福田理事長は「BPを使っている患者は、歯科治療の際に必ずその旨を歯科医に伝え、BPを処方する医師も副作用について十分説明することが重要だ」と話している(読売新聞) |
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